川崎フロンターレは清水エスパルスと引き分けに終わった。一時は逆転を許すも、後半34分に投入されたエースで主将のFW小林悠(31)が投入1分で同点弾を決めかろうじて勝ち点1を手にした。

小林は4年連続の2ケタ得点を達成したが、チームは5戦未勝利。首位東京との勝ち点差を縮めることができず、残り10試合で3連覇の道が険しくなった。

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川崎Fのイレブンにとって、難しい戦いになるのは想定内だった。相手の清水は前節札幌戦でクラブワースト8失点を喫し大敗。守備の立て直しを図ってくるのは明白だった。DF谷口は「より(ゴールを)こじあける作業は大事だし、守備は一発のカウンターをどう抑えるか」と見据えていた。7月31日のアウェー広島戦以降、2敗2分けと4試合連続で白星から遠ざかる。その中でもMF中村は「受けないでボールを握ってハーフコートに押し込みたい。先制点が重要になる」とアグレッシブな戦いを誓っていた。

中村の言葉通り、川崎Fは序盤からボールを支配。前半14分、待望の先制点を手にした。MF斎藤の右サイドからのクロスをFWレアンドロ・ダミアンが右足で合わせゴールを奪った。ここから2、3点とたたみかければ一気に勝機に近づく。斎藤、マギーニョと決定機を決めきれずにいると、前半29分に、清水エースFWドウグラスに直接FKを決められ同点に追いつかれてしまった。さらに、後半20分、警戒していたカウンターを喫し逆転された。

首位東京、2位鹿島が引き分けに終わっただけに、何とか勝ち点3を手にしたかった。チームを救ったのは主将でエース小林だった。後半33分に投入されると、直後の後半34分に右足シュートを放ち同点弾。今季10得点目となり、4年連続の2ケタ得点を達成した。その後も、圧倒的に押し込むも追加点が奪えず引き分けに終わり、5試合連続での未勝利となった。連覇した年は夏場から加速しゴールを切ったが、今季はメンバーを替えながら戦っており、攻撃の呼吸がかみあわない。残り10試合。3連覇の道が険しくなってきた。