川崎フロンターレのFW知念慶(24)が、主審の判定を映像で補助するビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入した第1号ゴールとなった。

試合後、日本サッカー協会(JFA)の小川佳実審判委員長が取材に応じ、知念の得点について説明を行った。

前半15分。知念がDF車屋紳太郎のロングボールに抜け出し得点したが、オフサイドかオンサイドか、非常にきわどい状態だった。副審はオフサイドと判断していたが、VARの元ではすぐにフラッグをあげず「オフサイド・ディレイ」にしていたという。「オフサイド・ディレイ」とは、オフサイドと判断したが念のため、アウトプレーになるまで判断をディレイ(遅らせる)ことを示す。得点後、副審はオフサイドとしてフラッグを上げた。

小川審判委員長は「VARのチェックでオンサイドでした。名古屋の右奥にいた選手の右足と、川崎の20番(知念)の選手の右ひざが並んでいた。それが分かったことで、レフェリーにオンサイドでしたと伝えた」。フィールド上で、主審が映像を見る「オンフィールドレビュー」はされず「VARオンリー」で判定が変わった。

もし、VARが導入されていなければ、副審はオフサイドの判断と同時にフラッグを上げるため、知念の得点は生まれていなかった。ただ、この日はVARの判断の際、主審がテレビ画面を示すサインをしていなかった。

小川審判委員長は「残念ながら、手続きのところが(テレビシグナルが)欠けてしまった。でも、難しい判定を、VARのもとで、正しい判定ができた」と振り返った。