アルビレックス新潟は不屈のディフェンダーの復帰戦を快勝で飾った。FWレオナルド(22)がJリーグで自身初の4得点を挙げるなど、鹿児島ユナイテッドFCに6-0で完勝した。急性白血病から約3年7カ月ぶりにピッチに復活、先発フル出場したDF早川史哉(25)の闘志にこたえる大爆発だった。レオナルドは通算24得点でJ2得点王へも大きく前進した。

レオナルドは、ご機嫌だった。「苦しい時間帯もあったが、主導権は渡さなかった。完璧な試合運び」。その「完璧」に導いたのが点取り屋のゴールラッシュだった。前半18分、右CKからのこぼれ球を押し込み1点目。早川復帰戦で興奮するホーム観衆の声援も力に勢いは加速。不屈のディフェンダーの闘志にこたえた。

前半36分、後半19分にも得点し、4点目は後半28分。相手DFのパスをかっさらい、さらにGKをかわし、ボールと一緒にゴールにゆっくり、ゆっくり入っていった。「4得点は16年のブラジルの育成時代以来」と喜びを隠さなかった。

昨季のガイナーレ鳥取時代に24得点をマークしJ3の得点王になっている。J2の新潟に移籍した今季7試合を残し、昨季と同じ通算24得点に達しJ2得点ランクも単独トップに浮上した。「目標は昨年より多い26得点だが、それに近づいている」と話したレオナルドは、優等生。「まず勝つことだけを考えたい。次にJ2得点王の目標を達成したい」。

吉永一明監督(51)は言う。「ブラジル人頼みと言われがちだが、チームとして得点力のある選手に点が取れそうなシチュエーションを作っている。それがチームにとって価値がある」。レオナルドは個人で状況を打開できるタイプではないが、ペナルティーエリア内の落ち着きは大きな強み。「ペナルティーエリア内は、ディフェンスの方がナーバスになる」と精神的に優位に立って、残り試合もゴールを量産する構えだ。【涌井幹雄】

<J2新潟記録メモ>

◆チーム1試合最多得点 新潟は6-0で大勝。リーグ戦で1試合6得点はクラブ史上2位タイ。最多は7点で、J2だった03年9月13日の横浜FC戦で記録。また今回の6点差勝ちは同横浜FC戦(7-1)に並ぶクラブ最多タイ記録となった。J1では5得点が最多で12年9月29日のホーム名古屋戦(5-0)。

◆個人1試合最多得点 FWレオナルドがJリーグで自身初の4得点。個人1試合4得点は、J2だった03年に3度マークしたFWマルクス以来、クラブ16年ぶり史上2人目の最多タイ記録。J1で4得点は過去にいない。