FC東京が敵地でヴィッセル神戸に快勝した。勝ち点56は首位鹿島と並び、得失点差で追う。日本代表MF橋本拳人(26)がだめ押しの3点目を奪う活躍で力強さを見せた。

2-0とした前半34分。自陣から最前線のFWディエゴ・オリベイラへパスを送ると、その右側を猛然と加速してフォローに。ディエゴ・オリベイラからのゴール前への折り返しに走り込み、前に出てきたGKより先につま先で触ってゴールへ流し込んだ。試合後は「得意としている足を伸ばすというところを出せてよかった」と振り返った。

14日にW杯アジア2次予選タジキスタン戦(ドゥシャンベ)にフル出場。FW永井謙佑、DF室屋成とともに17日に帰国したばかりだったが、コンディション調整が難しい中でも高いレベルでパフォーマンスを維持。対応力の高さを見せつけた。視察した日本代表の森保一監督も「攻撃、守備ともに持ち味を出しているところを見せてもらった」と評価した。

「代表で感じたことを出したい」と臨んだ1戦。安定感のある守備をこなしながらも推進力を持つところを長所だが、「質も量ももっと必要だと感じている」と現状に満足はない。この日も「もっとやらないといけない」と口にするなど、簡単に笑みは見せなかった。

チームは4戦ぶりの勝利。残り5戦という佳境で、息を吹き返した。「苦しいときに引っ張って勝利に貢献したいと思う」というチームへの思いは、この日は目に見える結果に残った。「泣いても笑ってもあと5つ」。そう話す目線はすでに次戦に向いていた。悲願のリーグ初優勝へ、ここから底力が問われる。