藤枝順心が常葉大橘を3-1で下し、11年連続13度目の本大会出場を決めた。1-0で勝利した20日の全日本高校選手権県大会決勝から中1日で迎えた“再戦”。3発快勝でリベンジを許さなかった。

ヒロインは、またしてもFW小原蘭菜(3年)だった。1-1の後半3分。ゴール右斜め45度から右足を振り抜くと、シュートはGKの手をかすめてネットを揺らした。2日前の決勝と同じ時間、同じ位置から2試合連続の決勝点。小原は「同じような位置だったので、打てば決まると思った」と、笑顔で振り返った。

この日、DF長江伊吹主将(3年)がU-19(19歳以下)日本代表の活動で欠場。柱を欠きながらも、ライバルを寄せつけなかった。選手権決勝時も、準決勝から先発7人を入れ替えての勝利。多々良和之(55)は「選手層が厚くなってきた」と、うなずいた。

本大会では、来月3日の1回戦(藤枝総合運動公園陸上競技場)で国見FCレディース(長崎)と対戦。勝てば、なでしこ1部・INAC神戸に挑む。同チームには、卒業生の日本代表MF杉田妃和(ひな、22)とMF福田ゆい(21)が在籍。副主将のFW野嶋彩未(3年)は「対戦したい。大会へのモチベーションになる」と、目を輝かせていた。【前田和哉】

◆今年の皇后杯 11月2日に開幕。県からは藤枝順心の他、なでしこ2部・静岡産大磐田ボニータ、JFAアカデミー福島が出場する。1回戦では静岡産大磐田ボニータが2日に藤枝総合運動公園陸上競技場でFC今治レディース(愛媛)と、JFAアカデミー福島は3日に同会場で全保連琉球デイゴス(沖縄)と対戦する。決勝は12月29日、埼玉のNACK5スタジアム大宮で行われる。

○…常葉大橘がまた女王の壁に阻まれた。0-1の前半24分。こぼれ球を拾ったDF小林愛佳(2年)が右足ループでゴール。一時は同点としたが、後半の2失点で力尽きた。雪辱を果たすことはできなかったが、小林愛は「まだ戦えるチャンスはある。1戦1戦勝ち進んでリベンジしたい」と、勝ち進めば対戦の可能性がある全日本高校選手権東海大会へ視線を向けた。