初タイトルを目指す北海道コンサドーレ札幌と5度目の同大会決勝でルヴァン杯初制覇を狙う川崎フロンターレの決勝は、劇的な展開でPK戦にもつれた結果、川崎Fが競り勝った。

序盤は攻守がめまぐるしく入れ替わる中、札幌のMF菅大輝が先制点を決めた。前半10分、右サイドでDF1人を振り切ったMF白井康介が右クロス。遠めのやや左よりにいた菅がダイレクトで右足を振り抜いた。鋭いシュートは左上ポストに当たり、川崎FのGK新井章太に当たってゴールへ吸い込まれた。

その後は川崎Fがボールを保持して攻め込む。複数回あったチャンスを逃し続けたが、前半ロスタイム3分にようやく好機をものにする。左からのCKを遠いサイドで受けたMF阿部浩之が左足で蹴りこんで同点とし、前半を折り返した。

後半に入っても敵陣内で攻め続ける川崎F、カウンター気味にチャンスをうかがう札幌の構図は変わらない。川崎Fは後半途中からMF脇坂泰斗に代わってMF中村憲剛、レアンドロ・ダミアンに代わってFW小林悠を投入と攻勢を強めた。

そして迎えた後半43分、小林逆転弾を決める。大島の左からの絶妙な浮き球パスにゴール前へ走り込み、胸でトラップし、ボールをうまく足元に置いたところで勝負あり。左足で蹴りこみ、逆転に成功した。

このまま川崎Fが逃げ切るかに思われたが、ラストプレーで札幌が劇的な同点弾を決めた。右CKを深井一希が頭で左隅に決め、土壇場で追いつき、勝負は延長にもつれ込んだ。

延長戦の開始すぐ、流れは札幌へ大きく傾く。7分、DF谷口彰悟がペナルティーエリア前でMFチャナティップを倒し、イエローカード。その後ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)による確認が入り、レッドカードで退場となった。その後のFKをMF福森晃斗が直接決め、再逆転に成功した。

札幌の絶対的有利な状況で後半へ。しかし川崎Fが脅威の粘りを見せた。4分、左CKをDF山村和也がゴール前へ折り返すと、待っていたのはまたも小林。左足で押し込み、1人少ない状況で試合を同点に押し戻した。

試合は延長戦を終えても決着がつかず、PK戦へ突入した。先攻の川崎Fは、3人目のDF車屋紳太郎がクロスバーに当てて失敗。絶体絶命となったが、GK新井章太が5人目のキックをストップ。起死回生だった。さらに6人目も止め、優勝をつかみとった。