浦和レッズは2日、前日のJ1鹿島アントラーズ戦(0-1、カシマ)で退場処分を受けた大槻毅監督(46)に戒告と制裁金100万円を科したと発表した。

試合の後半39分、浦和MFエヴェルトン(26)と鹿島DF永木亮太(31)の競り合いに端を発してヒートアップし、左手で永木を押し倒して一発レッド。今夏に導入された新ルール下、J1では初めてのカードを明確に示されての退席処分だった。

この乱暴な行為が浦和の理念に反したとして、クラブが早々に動いた。ベンチ入り停止などJリーグ規律委員会の裁定を待つことなく、試合翌日に独自処分。監督不行き届きとして、強化責任者の中村修三GM(60)も戒告とした。

以下、クラブの発表「鹿島アントラーズ戦での大槻毅監督の行為に対するクラブ処分について」全文

「2019年11月1日(金)の明治安田生命J1リーグ第30節鹿島アントラーズ戦において、大槻毅監督が鹿島アントラーズの選手に対する乱暴な行為により、退場処分を受けたことで、選手はじめ鹿島アントラーズ関係者、Jリーグ関係者、並びに両クラブのファン・サポーターのみなさま、サッカーに関わる大変多くの方々に対し、不快な思いを抱かせてしまい、誠に申し訳ありません。深くお詫び申し上げます」

「浦和レッズは『SPORTSFORPEACE!』で提唱している通り、暴力行為を根絶することをめざし、青少年の健全な育成に寄与することを理念に掲げるクラブとして、今回の監督の行為は、いかなる理由があろうとも許されるものではなく、厳正に対処すべき事案と考えております」

「つきましては、大槻毅監督並びに中村修三GMに対し、以下の処分を課すことといたしましたので、ご報告させていただきます」

「1.処分内容

(1)大槻毅監督:戒告並びに制裁金100万円

(2)中村修三GM:戒告」

「尚、浦和レッズが『スポーツは闘いです。しかし、そこにはルールがあります』という考えに基づき推進している「SPORTSFORPEACE!プロジェクト」に関する講習の受講を、改めてクラブ全体に義務付け、再発防止に取り組んで参ります」

【大槻毅監督コメント】 「選手と共に常に闘わなければいけませんが、あの行為は間違いでした。鹿島の選手並びにチーム関係者、すべての浦和レッズに関わる人たちに謝罪いたします。この経験を糧に、選手と共に闘っていきます」

【浦和レッズ理念】

「“浦和レッズの宣言”浦和レッズはサッカーを初めとするスポーツの感動や喜びを伝え、スポーツが日常にある文化を育み、次世代に向けて豊かな地域・社会を創っていきます」(原文まま)

大槻監督はこの日、埼玉・大原サッカー場で一夜明けの練習に参加。少なくとも5日の川崎フロンターレ戦は代行指揮する見通しとなっている上野優作ヘッドコーチ(46)らと通常指導した。