ガンバ大阪が会心の勝利でJ1残留に事実上の王手をかけた。

残留を争う16位湘南との直接対決は、FW宇佐美貴史(27)の2発などで3-0と圧倒。残り4試合で9位に浮上したG大阪は次節も勝ち、下位チームの結果次第で待望の残留が決まる。2年連続で不名誉な残留争いに巻き込まれたが、最低限のゴールが見えてきた。

宇佐美は「迷わず足を振り抜けた。いい感じになってきた」と納得の表情。特に前半終了間際、右足での得点は遅攻から速攻へ途中で切り替え、遠藤とのワンツーで決めた。3試合ぶりの出場を先発で飾ったMF遠藤も「(あの得点は)今までなかなかつくれなかった」と中央から崩した芸術ゴールを喜んだ。

19日には本拠地パナスタで日本代表の親善試合ベネズエラ戦を控える。この試合は最近招集されていない国内組も数人入る予定で、W杯ロシア大会代表だった宇佐美には絶好の機会。幸運にも森保監督がこの日、直接視察に訪れており最高の結果を出した。

就任2年目、宮本監督の手腕も光った。MF倉田の負傷離脱があったとはいえ、遠藤と宇佐美に加え、DF菅沼を先発で起用した。「この2週間でいろんな組み合わせを考え、3人をスタートで使うことを決めた。対戦相手の特長も考えた」。遠藤がアンカーの位置にいながら、小野瀬、井手口、矢島とバランスを見て上下動を繰り返した。

「遠藤のボールの動かし方、アイデアなど必要と思って先発で使った。全員がいいパフォーマンスをしたが、彼もよかった」と宮本監督。はやる湘南を遠藤が中心になっていなし、前線での攻撃陣のコンビネーションも見事によみがえった。

この白星は2勝分にも相当する。J1参入プレーオフに回る16位にいる湘南に勝ち点を与えず、G大阪は同38に伸ばした。G大阪が次節大分に勝ち、16位湘南が負け、自動降格圏の17位松本が引き分け以下に終わると残留が決まる。下位チームの結果に関係なく、G大阪が勝つだけでも残留はほぼ確実な情勢になる。

宮本監督が「もちろん(次節の残留決定を)意識していく」と言えば、山内社長は「もっと順位を上げたい」と続けた。かつての名門クラブが、完全復活を遂げるためにもむだにできない試合が続く。