J1の舞台にベガルタ仙台を引き上げたMF関口訓充(33)が、ゴールを演出して10年連続残留へと導く。10日は勝ち点35で並ぶ清水エスパルスとホームで対戦。ライバルに差をつけるために絶対に落とせない一戦だ。守備面ではマッチアップが予想される右サイドバックのDFエウシーニョを封じ、得点ランキング2位のFWドウグラスへの得点ルートを遮断する。6日は仙台市内で非公開練習(冒頭のみ公開)を行った。

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ベテラン関口は清水の攻撃のカギを握るエウシーニョについて「川崎のときに何度か対峙(たいじ)している。彼の良さは分かっているので、ストロングを出させないように戦いたい」。J1王者川崎Fから今季加入し、ここまで3ゴール。17、18年のリーグ連覇に貢献し、ベストイレブンにも輝いた。DFながら4季で20得点を挙げるなど、縦への突破だけでなくフィニッシュの精度も高い難敵。それでもサイドの攻防で攻撃の芽を摘み、相手に仕事をさせない覚悟だ。

5月のアウェー戦で関口の出場はなかったが、3-4の打ち合いの末に敗戦。エウシーニョにもゴールを浴び、さらに万能ストライカーのドウグラスに2得点を許した。「FWに素晴らしい個を持った選手がいる。1発があってクロスからのヘディングも強い。ロングスローもあるし、簡単に上げさせないようにしたい」と警戒する。

前節2日の神戸戦でアウェー3連勝を狙った仙台だが、0-2と及ばなかった。関口は通常の左サイドハーフから、よりゴールに近い左シャドーでプレー。「アウェーなので失点しないというプランで入り、立ち上がりの15分ぐらいで許してしまった。失点しないでやろうと意識しすぎて自分とミチ(道渕)が引いてしまい、1トップの(長沢)駿が孤立する部分があった。シャドーは前にいてFWと連動して動いた方がいいが、守備に重点を置きすぎた」。

ユアスタで6連勝を達成した時期もあったが、最後のホーム白星は背番号7が先制点を挙げた8月の磐田戦までさかのぼり、ここ4戦3分け1敗。それだけに清水戦では勝ち点3が求められる。「押し込むためにボールを保持してメリハリをつけた攻撃をするのが大事」。頼れるベテランが残留争い脱出へチームをけん引する。【山田愛斗】