元スペイン代表として10年W杯南アフリカ大会得点王に立ったJ1ヴィッセル神戸のFWダビド・ビジャ(37)が、今季限りでの現役引退を発表した。世界的なスター選手が日本でユニホームを脱ぐのは、8月に鳥栖で引退したフェルナンド・トーレス(35)以来となる。

13日、クラブが発表し午後2時から神戸市内のホテルで会見が開かれた。

以下、一問一答

-引退を決断した経緯は

ビジャ この決断は長く考えてきたこと。家族とも考えて決めた。コンディションは良く、チームに貢献できるゴールも決められている。しかし、サッカーに引退させられるのではなく、自分の意志で引退したかった。今がそのタイミングだという決断になった。

-00年にスポルティング・ヒホン(スペイン)に入団してから数々のクラブを渡り歩いてきた

ビジャ (10~13年所属の)バルセロナでは史上最強のチームの一員として、素晴らしい3年間を過ごすことができました。Aマドリードは1シーズンでしたが、リーグタイトルを取ることができた。特別な思いがあるクラブ。また、国境を越えてプレーする機会を与えてくれたメルボルン・シティー、4年過ごしたニューヨーク・シティーでも素晴らしい時間を過ごすことができた。神戸にも感謝している。また、スペイン代表のチームにも感謝したい。子供の頃からの夢が、あの赤いユニホームを着ることだった。98試合も代表のユニホームを着て、欧州選手権、W杯でもタイトルを取ることができた。サッカー選手として、これ以上ない機会を与えてくれたのがスペイン代表だった。

-家族への思いは

ビジャ 私の人生で、たくさんの重大な決断をしてきたが、その中でも最高の決断は、妻と結婚をしたことです。子供たちにも感謝したい。サッカーにはいい時も、悪い時もある。子供たちが見せてくれた愛情が、どんな時でも自分にとっての力になった。(幼少時代に)仕事が終わってから私を練習に連れて行ってくれた父、食事を作って待っていてくれた母、姉弟にも感謝をしたい。彼らの存在なしに今の私はありえなかった。

-日本で現役を終えることになった

ビジャ 私のキャリアを終える神戸には感謝の思いしかない。年齢を重ねていた自分を信じて獲得してくれた。それは、日々練習する大きなモチベーションになった。1人、1人に感謝をしたい。この場にいる仲間にも、監督、スタッフ、あらゆる人の力があって、神戸での生活が素晴らしい時間になった。特に天皇杯というクラブの歴史にとって大事な大会が残っている。少しでもこのクラブの目標達成の助けになれれば幸せです。

-スペイン代表でも神戸でも一緒にプレーしたイニエスタについては

ビジャ イニエスタは、ずっとサポートしてくれた。彼と生きてきた時間はかけがえがない。一緒に天皇杯のタイトルを持ち上げることができれば最高。

-今後については

ビジャ (第2の人生は)天皇杯で優勝した後にスタートしたい。ニューヨークで(新クラブ)クイーンズの経営にもかかわっていく。サッカースクールでは子供たちの育成も進めていく。ピッチでプレーすることはなくなっても、サッカー界に貢献することは続けていく。最後にひとつ、強調したい。引退は今日ではありません。自分の願いは(来年の)1月1日、(天皇杯)優勝を成し遂げた後に引退したい。これから家に帰り、明日朝起きて、今まで通り万全な体制で練習に臨み、試合に向かう。変わらない日々を送って、最後の日を迎えたい。