筑陽学園が7連覇を狙った東福岡を下し、11年ぶり3度目の優勝を飾った。

3年連続で決勝は同カード。優勝の瞬間、「東福岡を倒すために入学した」という主将のGK野中友椰(3年)は、ガッツポーズでピッチにしゃがみ込んだ。一部の選手はスタンドへ走り、ピッチサイドに降りた応援団と抱きあって喜んだ。3度目の挑戦で「打倒東福岡」を成し遂げ、喜びはひとしおだった。

「1対1の部分でしっかり戦えたことが大きい」と野中主将。J1鹿島入りが内定しているMF荒木遼太郎(3年)ら、個々の能力の高さで猛攻を浴びながらも体を張った気迫の守備でひるまなかった。参戦するプリンスリーグ九州では失点が多かった。その要因でもあった、特に1対1で絶対に負けない攻守の戦う姿勢を見つめ直してきた結果だった。攻めては、速い攻守の切り替えからショートカウンターで守備の背後を突いた。そんな中、得意とするサイド攻撃から先制した。

0-0で迎えた後半29分に均衡が破れた。カウンターから、ドリブルで右サイドを切り裂いたFW深松大雅(3年)が高速クロス。フリーだったFW過能工太郎(3年)が「(深松が)ドリブル突破した時点で、自分の所に来るのは分かっていた」と、ファーサイドで受けて右足で決めた。

GK野中主将は、全国大会の抱負を問われ「泥臭く貪欲に謙虚に戦い、てっぺん目指し頑張ります」。

決勝点の過能も「選手権で優勝して監督を喜ばせたい」と声を弾ませる。

タレント軍団を下した自信を胸に大舞台へ乗り込む。【菊川光一】