全日本大学女子サッカー選手権(兵庫・三木総合防災公園陸上競技場など)が24日に開幕する。仙台大(宮城・東北第1代表)は10年連続10度目の出場で、初戦は筑波大(茨城・関東第7代表)と対戦。エースストライカーのFW船木里奈(4年=仙台育英)を中心とした強力攻撃陣が、東北勢初の4強進出を目指す。

まさに死闘だった。仙台大は東北地域大学リーグ戦10連覇を懸けた八戸学院大(青森・東北第2代表)とのアウェー最終戦は、人工芝のピッチに雨水が染み渡り、水たまりでボールが転がりづらい状況だった。FW菅野桃香主将(4年=桜の聖母学院)は「自分たちがやりたいプレーを泥臭くやって、ゴールに結びつけた」。黒沢尚監督(42)は「相手の背後にボールを入れていくこと。ラグビーのような陣を作る攻撃で、相手からすれば、いやらしい攻撃ができた」と3-0で勝利した大一番を振り返った。

船木はこの試合、1ゴール1アシストの活躍でチームを引っ張った。前半4分に船木が相手守備陣の裏にパスを出し、MF石森綾香(4年=常盤木学園)がワンタッチで合わせて先制点。同23分には船木がドリブルで持ち込み、相手GKとの1対1で冷静にネットを揺らした。船木は「アウェーの悪条件でも、チームでいいプレーが出た。内容も良く終われたことで自信になり、プラスになった試合」と話した。

メンバー入りの4年生12人は選手権が大学最後の大会となる。船木は「自分のゴールでチームを勝たせる気持ちで、エースの責任を持って得点に絡みたい」と意気込む。黒沢監督は「目標のベスト4を達成して、いい景色を見せてあげたい」と願った。まずはチーム一丸で初戦突破を果たし、1歩ずつ階段を上がっていく。【相沢孔志】