16年連続16度目出場の藤枝順心が宇都宮文星女(栃木)を5-0で下し、2年ぶりの優勝へ好発進した。

FW池口響子(3年)が全国初ゴールを挙げ、大勝を呼び込んだ。今日4日の2回戦では、昨年覇者の星槎国際湘南(神奈川)と対戦する。2年ぶり11度目出場の常葉大橘は鎮西学院(長崎)にPK戦の末に5-6で敗れ去った。

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藤枝順心FW池口の笑顔がはじけた。1-0で迎えた後半7分。FW小原蘭菜(3年)のクロスを頭で合わせ、ネットを揺らした。前半3分の先制点から追加点が遠かった攻撃陣を活性化させると、チームはその後3得点。宇都宮文星女を一気に畳み掛けた。「全国では初めて。取れて良かった」。うれしい全国初得点で、大勝を呼び込んだ。

悪夢を払拭(ふっしょく)する一撃でもあった。ちょうど1年前の19年1月3日。池口は、前回大会の1回戦で右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負った。公式戦復帰までには10カ月も要した。苦しいリハビリ期間を支えたのは、寮で3年間同部屋の小原ら同級生の存在だった。「支えてくれたみんなに恩返しがしたかった」。感謝の気持ちを結果に込めた。

2回戦では、昨年女王の星槎国際湘南と対戦する。池口は「1戦1戦、大切に戦って優勝したい。次も勝ちます」と頼もしい。大会前には、小原と「(寮の)部屋に金メダルを飾ろう」と、2年ぶりの全国制覇を誓い合う。完全復活へ、大きな1歩を踏み出したストライカー。仲間への恩返しは続く。【前田和哉】