コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督(62)が10日、札幌・宮の沢のクラブハウスに“初出勤”し、就任3年目をスタートさせた。

昨季メンバーがほぼ残留した今季は、1、2年目できなかった開幕ダッシュを成功させ、クラブが過去到達できなかった高みを目指す。この日は新入団加入選手会見が札幌市内のホテルで行われ、Jリーグから各チームの今季ホーム開幕戦の日程、カードが発表された。

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晴れやかな表情で練習場を見渡した。ペトロビッチ監督が年明け初めてクラブハウスを訪れ、来日15年目の一歩を踏み出した。約1カ月のオフは、家族とドバイ旅行などを楽しみリフレッシュ。「ゆっくりできて良い時間を過ごせたよ」。13日に第1次合宿となるタイに出発する。いよいよ、シーズンに向けた戦いが始まる。

上積みで高みを目指す。今季は昨季メンバー24人中23人が残り、大卒3人を加えた26人で挑むことになった。「我々のようなチームは強くなると選手を引き抜かれるのが常。残ったことはチームとクラブが成長している証」。戦術理解に時間を要する“ミシャ・サッカー”で、慣れたメンバーが離れなかったことを歓迎した。大卒3選手も昨年から練習に参加、公式戦にも出場しており、竹林京介強化部長(44)は「ルーキーではなく即戦力の補強」と胸を張った。

開幕ダッシュを狙う。過去2年間のリーグ戦第5節終了時点の順位は、18年15位、19年13位と出遅れた。だが、今年は昨年の主力メンバーが約1カ月半のキャンプで成熟度を増すことで、開幕時のチーム完成度は昨年より高まることは必至。メリットは大きく、勝ち点の上乗せが期待できそうだ。

リーグ開幕戦はJ2から復帰した柏との対戦となった。11年のJ1優勝チームで「資金力を生かして補強し、J1の舞台で上を狙えるチーム」と警戒した上で「いかに自分たちの戦い方ができるか」。過去2年は開幕戦を落としており、今年は札幌らしい試合運びで「三度目の正直」をつかみたい。

大きな期待を持って迎えられた札幌で、就任3年目。過去2シーズンを振り返り「どこのチームに対しても互角以上に渡り合えるところを見せてきた」と上位を目指す手応えは十分、感じている。長い時間をともに過ごしてきた“ミシャ・チルドレン”とともに、勝負をかけるシーズンに突入する。【西塚祐司】

◆札幌ペトロビッチ監督のシーズン序盤戦 18年に就任後の開幕戦は1年目0●1広島、2年目0●2湘南と、ともに敵地で敗れ、黒星発進。開幕5試合の成績は、1年目が●△●○△の1勝2分け2敗の勝ち点5、2年目も●○○●●の2勝3敗で勝ち点6で、スタートダッシュはできなかった。

◆札幌ペトロビッチ監督の成績 ▼1年目18年 J1リーグ戦15勝10分け9敗の勝ち点55で4位、ルヴァン杯1次リーグ敗退、天皇杯4回戦敗退▼2年目19年 J1リーグ戦13勝7分け14敗の勝ち点46で10位、ルヴァン杯決勝3-3(PK4-5)川崎Fで準優勝、天皇杯2回戦敗退