青森山田が2－1で帝京長岡（新潟）を下し、00年、01年度の国見（長崎）以来18大会ぶりの大会2連覇に王手をかけた。

前半16分にFW田中翔太（3年）のゴールで先制すると、後半2分にはMF松木玖生（1年）が追加点。帝京長岡に17本のシュートを許すも、GK佐藤史騎（しぶき、3年）がスーパーセーブを連発するなど、1失点で逃げ切った。13日の決勝で静岡学園と対戦する。

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青森山田の1年生MF松木が、大物ぶりをアピールした。後半2分、右クロスのこぼれ球をファーサイドに走り込み、左足で流し込んだ。舌をペロリと出して、してやったりの表情。約3万人の観衆を両手であおるオーバーアクションも披露した。「ダイレクトで蹴ったらふかしてしまいかもしれないので」と1バウンドさせる冷静な状況判断。「基本的には大きなチャンスを外したことがないので」と決勝弾に胸を張った。試合終了間際には足のけいれんで途中退場すると「迷惑かけて申し訳ないし、悔しくて」と涙も流すほど責任感も人一倍だ。

下級生での背番号7は青森山田の出世番号だ。デポルティボMF柴崎岳ら歴代Jリーガーも付け、3年には背番号10へ。青森山田中時代から高校生トップチームに“昇格”し、3年時には公式戦にも出場した。黒田監督も「中学からトップでガンガンやったのは岳くらい。ピッチの中でも学年関係なく呼び捨てで鼓舞出来る。ふてぶてしさも良い」と素質に惚れ込む。

松木は壮大な夢も抱く。「卒業後、声がかかれば海外に行きたい。（イングランド）プレミアリーグはスピード感が違うので魅力的。マンチェスターCが、すごい好き。Jリーグは今のところ考えていません」。昨年から筋トレに加え、「肉食って、サラダ食って。常にご飯3杯」と体重5キロ増。体力面も成長中だ。

埼玉スタジアムは昨年12月の高円宮杯U－18プレミアリーグファイナル名古屋U－18戦の決勝弾に続く2戦連発と好相性。「1年前から選手権決勝で自分が3点取って圧倒するイメージを持ってきた。日本一になって最高の景色が見たい」。昨年度の全国中学総体では決勝で敗れ、5連覇を逃した悔しさも発奮材料の1つ。09年度準優勝だった柴崎を超える頂点に立ち、世界に名前を知らしめる。【鎌田直秀】