藤枝順心DF長江伊吹主将が、悔しさを味わった舞台で輝きを放った。

昨年の1回戦、2年生ながら背番号「10」を背負って出場。0-0で突入したPK戦でも1人目のキッカーを任されたが、失敗した。流れを失ったチームは、そのまま敗戦。試合後には、多々良監督から「10番にふさわしいプレーができていない」と、叱咤(しった)された。

リベンジを誓った今大会は、全5試合で1失点。堅守が2大会ぶりの優勝を支えた。指揮官も「強烈なキャプテンシーがある訳ではないけど、背中で引っ張ってくれた。粘り強く努力を続けた。今のチームを象徴する選手」と目を細めた。

長江は卒業後、なでしこ1部・INAC神戸への入団が内定している。「無失点優勝は無理だったけど、DFラインみんなで決勝を『0』に抑えられたことが1番良かった」と笑った。頼もしく成長した順心の10番が、全国制覇を手にプロの世界に飛び込む。