J1ベガルタ仙台が新時代に突入した。クラブOBで6季にわたって指揮を執った渡辺晋氏(46)が、昨季限りで監督を退任。新たにJ2モンテディオ山形から木山隆之監督(47)が就任した。主力のほとんどが残留し、骨格を維持したまま大補強。未来につながる新スタイル構築と7年連続2桁順位脱却を目指す。

連載「新時代照らす七つ星~J1仙台新戦力」と題し、今季加入した7選手を紹介する。

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未来の守護神とは言わせない。ユースから昇格したJ1仙台GK小畑裕馬(18)が、ルーキーイヤーでの公式戦出場へ闘志を燃やす。足元の技術が高く、両足のキック精度が最大の持ち味で、チームが目指すボールをつなぐサッカーへの適性は高い。GK陣は今季5人体制。チャンスをつかむのは容易ではないが、下克上出場で存在感を示す。

小畑はU-18日本代表にも選出される逸材だが、中1でGKに転向した。それまでのポジションはDFやFWだったが、小6で転機が訪れる。全日本少年フットサル大会の宮城予選決勝で、当時所属していたチームが仙台ジュニアと対戦。たまたまGKで出場し惨敗も、仙台側からプレーを評価され、セレクション受験を勧められた。過去に2度、フィールドプレーヤーでジュニア入りを目指したが落選。三度目の正直は“まさか”のGKでジュニアユース合格を果たした。

仙台からベルギーへ移籍したシュミット・ダニエルのように、足元がうまい器用なGKとして期待される。「ビルドアップ(攻撃組み立て)もそうだが、両足を蹴れるのを見てもらいたい。タイプとしては(シュミットに)似ているかもしれないけど、まだまだ。ゴールを守る部分で、体をもっと張らないといけない」。ポジション奪取の道のりは険しいが、「リーグ戦を目標にカップ戦だったり、試合出場を目指したい」。少ないチャンスをものにして、1年目から戦力になる。【山田愛斗】

◆小畑裕馬(おばた・ゆうま)2001年(平13)11月7日生まれ、宮城県登米市出身。アバンツァーレ仙台SC、仙台ジュニアユース、ユースを経てトップチーム昇格。憧れはバルセロナGKテア・シュテーゲン。趣味はYouTubeを見る、寝ること。ザ・ドリフターズ好きで推しメンは志村けん。手先が器用で小さい紙で鶴を折るのが得意。183センチ、79キロ。利き足は右。家族は両親、姉、妹。