ヴィッセル神戸の元日本代表DF酒井高徳(29)の新型コロナウイルスへの感染判明から一夜明けた3月31日、クラブは本拠地ノエビアスタジアム神戸や練習場を封鎖し、クラブ事務所など関連施設の業務も休止した。保健所による消毒の対象施設が決まらず、他者への感染拡大の有無も予断を許さないことで、予定していた7日の練習再開もメドが立っていない。

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酒井の新型コロナウイルスへの感染判明から一夜明けたこの日、神戸は対応に迫られた。感染拡大防止対策を強化するため、本拠地ノエスタは地下駐車場を除いて封鎖し、練習場(いぶきの森球技場)は立ち入り禁止に。クラブ本社事務所など関連施設の業務も休止にした。いずれも5日まで続ける予定。

ほとんどの職員は在宅勤務となり、対面での打ち合わせができない状況だ。関係者によると「保健所がどの施設まで消毒するか決まっていない。濃厚接触者がいれば、その他の施設まで及ぶ可能性はある」と説明。酒井が活動した練習場などは消毒の対象になるのは確実だが、その他は判然としていないという。

3月25日に発熱した酒井以外に症状を訴える選手や関係者は、現時点でいないもよう。Jリーグで初めて感染した酒井は隔離されて療養し、他の選手も自主隔離で生活している。だが、潜伏期間を考慮すれば予断は許さず、チームが11連休明けの今月7日から練習を再開できるかは、まったく見えてこない。

三浦淳寛スポーツダイレクターは、練習再開について前日に「チームドクターや保健所などと、しっかり相談して決めていきたい」と慎重な姿勢を崩さなかった。神戸の事情とはいえ、仮に練習再開が今月中旬以降にずれ込めば、調整時間は足りない。5月9日を目標とするJ1リーグ再開に各クラブの足並みはそろわなくなる。

国内での新型ウイルス感染拡大は現在もとどまることがなく、他クラブからは今後のJクラブ同士の練習試合さえ危ぶむ声が大きくなっている。1日のJリーグ臨時実行委員会の行方が注目される。