J2アルビレックス新潟は17日、活動休止を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大により、政府が16日に緊急事態宣言の対象地域を47都道府県に広げたことを受けてのもの。活動再開は未定。新潟の是永大輔社長(42)が通話アプリでインタビューに応じ、現在の心境、今後に向けての心構えなどを明かした。

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J2新潟は17日、予定していた非公開練習を取りやめて休止に入った。14日からは選手が2、3グループに別れて時間差で練習するなど、感染防止対策を強化、徹底していた。その矢先の活動休止となった。

--活動休止を決めたのはいつ

16日に決めました。チームはやりたがっていたと思います。ただ、クラブで策定したプロトコル(規定)がありますので、今回は緊急事態宣言が出たことで休止にしました。今後については情勢を見極めながら決めます。今のところ5月6日まで聖籠町のクラブハウスも原則閉鎖。今回の休止については自治体から要請があったわけではないです。少し前のめりで決めました。地域を守るため、そしてアルビレックス新潟が与える社会的影響を考えました。

--選手に対して心配な部分は

特にないです。選手はみんなプロ意識を高く持って、ここまでの中断期間も取り組んでくれています。体調管理も振る舞いもとても気をつけています。うちのクラブだけでいうと、感染の可能性は低いと思います。この休止に当たっても、スタッフから選手に自宅で行えるメニューが与えられています。また、外国人選手にはスタッフが常にコミュニケーションを取っています。単身で日本に来ている選手もいますから。

--再開については

プロトコルに沿えば緊急事態宣言が解除されたら、ということになります。ただ、どのタイミングで自粛をやめればいいかという判断が、民間だけではできない。それが苦しいです。ましてはアルビレックスは公共物のようなものなので。

--クラブの財務状況は

クラブを維持するには毎月約1億5000万円から2億円のお金がかかる。このまま進むと9月か10月にはキャッシュがなくなる。つまり倒産してしまう。試合をやれないと当然お金が入ってきません。もちろん、そうならないためにあらゆる可能性を追求し、手を打とうと思います。

--現在、選手がSNSなどで情報を発信している

それは今後も続けていきます。クラブ主導でのものも増えていくと思います。リモートを利用してチーム、クラブとサポーターをどうつなげていくかを意識してやります。サポーターのみなさんも試合に飢えている。公式モバイルサイトでは紅白戦の動画などのアクセスが多いです。

--サポーターへメッセージを

県内には同じような状況に陥っている企業さんがたくさんあると思います。命をかけて戦ってくれている医療従事者の方々もいる。いつかサッカーが必要になるタイミングが絶対に来ます。そのときにアルビレックス新潟が「新潟復活」の象徴になる、というつもりで準備をしています。本当に苦しいですが、歯を食いしばって、みなさんと一緒に乗り越えたいと思います。【聞き手・斎藤慎一郎】

◆2月21日 J1湘南-浦和戦でJリーグが開幕。23日にはJ2も開幕。新潟は群馬に2-0と快勝。

◆同25日 26日のルヴァン杯から3月15日までの全公式戦延期が決定。

◆3月2日 NPBと合同で新型コロナウイルス対策連絡会議を設立。3日に第1回を開催。

◆同9日 公式戦を延期、再開日を4月3日に設定。

◆同25日 再び延期が決定。J2は5月2日再開を目指すことに。

◆4月3日 第5回新型コロナウイルス対策連絡会議を開催。専門家から「4月の再開は難しい」との提言を受け、4度目の延期を決定。今後については白紙となった。

◆同16日 緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大。17日に新潟は5月6日までの活動休止を決定。