J2のモンテディオ山形は28日、オンライン会議システム「Zoom」を利用して19年度(19年2月~20年1月)の事業実績報告会を行った。

営業収益は過去最高の18億4500万円(前年度比1億4700万円増)で、これまでの最高だった15年度(J1)の18億1300万円を3000万円ほど上回った。広告料収入、入場料収入、物販収入すべてで前年比増、当期純利益は500万円で6期連続の黒字となった。

昨季は6位でJ1参入プレーオフに進出。好調なチーム成績に伴いスポンサー獲得、入場者数拡大へ積極的な投資を行った成果が出た。年間入場者は17万4064人(1試合平均8289人)で、J1だった15年以来4年ぶり、J2では初の17万人超え。さらに16~18年は平均入場6000人台で推移していたが、19年は同8200人超えで大幅な観客増となった。

相田健太郎社長(45)は会見冒頭で新型コロナウイルスの感染拡大に触れ「私たちの日常生活を支えている医療、流通、保育、自治体など多くの皆さまに感謝を申し上げます」とあいさつし「昨年は多くのファン、サポーター、スポンサー、市町村を含めた多くの自治体、ステークホルダーの皆さまの支えで久しぶりにPO進出し、17万4000人を超えるお客さまにご来場いただきました」と続けた。

好調な昨季とは対照的にコロナの影響で広告料収入、入場料収入などが減少し、苦しい経営が予想される。一部クラブでは選手が報酬を自主返納する動きもあるが、相田社長は「基本的に選手の年俸に手をつけるという考えはありません」と否定した。

観光資源など県内産業へコロナがもたらす影響に危機感を抱く。「さくらんぼ狩りですとか果樹園の方が本来なら繁忙期に入るが、そういった方たちが困る時期になる。いくつかの企業と県外に向けた商品販売やクラブがどのようなPRをできるかを準備しています。山形県内の産業を支えることに今年は力を入れたいです」と語った。