鹿島が28日、約2カ月ぶりに全体練習を再開した。2人組での基礎練習やポゼッション練習、ミニゲームなどを、約1時間半かけて消化。練習後には主将のMF三竿健斗(24)がオンラインで取材に応じ、自粛期間に感じたさまざまな思いを明かした。

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再開へまた1歩前進した。18日からグループ練習を解禁した鹿島が、全体練習にこぎ着けた。オンライン取材でMF三竿は「自粛前より練習の雰囲気が活気にあふれていて、自発的に声を出すようになっていた。自粛期間はプラスに働いているように思う」と、再開初日の好感触を口にした。

3密対策もぬかりない。新型コロナウイルス流行前の鹿島では、2リットルのペットボトルを共用していたが、“濃厚接触”を避けるべく、クラブは選手1人1人にスクイズボトル支給。練習前には選手が自ら水を入れるという。三竿は「今まで自分たちがどれだけ良い環境でやれていたか、すごく感じている。当たり前だったことが当たり前じゃないと感じ、感謝の気持ちがすごくある」とかみしめた。

三竿は活動休止期間中の心境も明かした。平常時であればサポーターの声援を受け、毎週末試合ができる。緊張感とメリハリのある日常をウイルスに奪われ、「『何しているんだろう』というか、刺激がないので生きがいがなくなった感覚が最初にあった。サッカー選手はサッカーだけやっていちゃダメだとすごく感じた」。厳しい勝負の世界に身を置くプロだからこそ、衝撃は大きかったようだ。

心境の変化は他の選手にも見られたようで、「みんな声を出すようになった。家でじっとしていて思う部分もあっただろうし、考え方も変わっていると思う。チーム状況をふまえても、積極的にやらないと。自分が引っ張るんだ、という強い気持ちをもつ選手が増えればよくなると思う」。ともに練習ができる喜びを胸に、チーム構築を進めていく。【杉山理紗】