新型コロナウイルスの感染拡大で2月下旬から公式戦を中断していたJリーグが29日、オンラインで臨時の実行委員会を開き、J1の再開日を7月4日に決めた。6月27日にJ2は再開、J3は開幕となる。

◆中断によるJリーグ再開後のポイント◆

▽負傷の不安 16日に約2カ月ぶりに再開したドイツ1部リーグだが、その節で負傷者が相次いだ。Jリーグの中断期間は約4カ月。すでに全体練習を再開しているクラブもあれば、6月から再開予定のクラブがあるなど、調整段階に差が生じそう。戦術面だけでなく体力面でも不安はぬぐえないが、3人から5人に増える見込みの交代枠を有効活用するなど対策が必要になる。

▽疲労は 再開後は週2試合を年末まで戦うことが確実。感染拡大の予防対策も行いながらで目に見えない疲労も想定できる。真夏は猛暑、日本特有の蒸し暑さの中で過密日程をこなしていく。各クラブも若手の積極起用などターンオーバー制採用も考えられるが、戦力ダウンも懸念される。

▽感染者防止 当面は無観客で実施。入場者の制限をかけるなどして外部との接触を回避させる。再開当初は東西2ブロック制でのカード編成で長距離移動による感染リスクを削減する案を検討している。

▽戦い方は 開幕前に築きあげた戦術も、全体練習停止で成熟度が下がっていることも考えられる。外国人選手の処遇など、未知数な面もあり、夏場の猛暑や過密日程の疲労も重なり、大味な試合展開になってしまう可能性もある。

▽平等性は 今後、万が一、感染者が出たり、日本代表の招集などで主力が抜けることも想定できる。それらを鑑み、すでに「今季のJ1、J2で降格なし」「J1参入プレーオフは実施しない」「昇格はJ1、J2とも2クラブが自動昇格」「各カテゴリーの75%以上かつ各クラブが50%以上を消化すれば成立し、不成立の場合は昇格や順位決定、賞金、表彰は実施されない」と決めている。