J1横浜F・マリノスが8日、横浜市内で非公開で調整し、昨夏以来、約1年ぶりに復帰したMF天野純(28)と東京オリンピック(五輪)世代のU-23日本代表MF遠藤渓太(22)がオンラインで取材に応じた。

この日は約40分間、ストレッチやパス回しなど軽めのメニューをこなした。J1は7月4日の再開が発表されているが、名古屋グランパスで2人の新型コロナウイルス感染者が出るなど、不安のよぎる中での調整が続いている。横浜も選手ごとに飲料ボトルは分け、更衣室と導線も4グループに分けて利用時間を制限するなど、引き続き感染対策は徹底。天野は「こればっかりはみんな最善の策を講じているので…」と見えない敵との闘いに戸惑いの表情もみせ「みんなかかってないと信じていますし、お互いを信頼してやっていくしかないと思っています」。遠藤も「気を抜かずにやることが大事だと思います」と引き締めた。

6日の練習では紅白戦も行うなど、対人練習も本格的にスタートしている。天野は練習中に股関節付近を負傷して紅白戦を欠場したことを明かし「見ているだけで終わってしまったんですけど、同じサッカーをする紅白戦なので、プレッシャーのかけ合いで激しかったですし、いかにそこに入ってインテンシティーをかけられるのか考えていました」と振り返った。幸い、けがは軽傷で今週から復帰予定だといい「熾烈(しれつ)なポジション争いもあるので、もう1度、1から自分の実力を証明しないといけない」と力を込めた。

チームは4月4日を最後に全体練習を一時休止し、フィジカルコーチによるオンライントレーニングなどを行ってきた。5月中旬からはグラウンドで少人数に分けての自主トレーニングも開始。同下旬に神奈川県内に出されていた緊急事態宣言も解除され、全体練習再開に至った。

休止期間中にはアジア・チャンピオンズリーグ参戦などによる過密日程も考慮し、J2アビスパ福岡からDF実藤友紀(31)、ベルギー2部ロケレンからMF天野純(28)とDF小池龍太(24)と即戦力クラスを次々と獲得。遠藤は「それぞれのコンディションも徐々に上がってきている。試合数も多くなりますし、自分にもしっかりチャンスがくると思いつつ、チーム全員で戦う必要があるのかなと思います」といまだかつてない形となったシーズンの再開へ向けて意気込んだ。【松尾幸之介】