東京の日本代表MF橋本拳人(26)が、ロシア1部のロストフから正式な獲得オファーを受けていることが10日、分かった。同リーグは9月に開幕予定で、ロストフは今夏の獲得を目指しており、今後は条件面を含めたクラブ間の交渉となる。

ボランチを主戦場とする橋本は昨年、日本代表デビュー。東京でも昨季リーグ全34試合に出場し、クラブ最高成績となる2位に貢献。自身初となるベストイレブンに選出されるなど開花した。球際の強さを武器にしたボール奪取力は日本代表でも光った。

ロストフは現在リーグ4位で、来季の欧州リーグ(EL)出場を射程圏内に捉えている。新型コロナウイルスの感染拡大で財政面にも影響を受ける状況で、ELを勝ち抜くためにも即戦力として白羽の矢を立てた。移籍が実現すれば、いきなり欧州の主要大会に挑戦できる可能性もある。橋本は海外志向もあるが、下部組織からのたたき上げで東京でJ1初制覇を果たしたい思いも強いという。東京は必要不可欠な戦力として慰留に努める。

◆橋本拳人(はしもと・けんと)1993年(平5)8月16日、東京都生まれ。東京U-15(15歳以下)深川、同U-18を経て12年にトップ昇格。13年にJ2熊本に期限付き移籍し15年に復帰。19年3月に日本代表に追加招集の形で初選出され、同26日のボリビア戦(ノエスタ)で初先発。同年のJ1で通算100試合出場を達成、初のベストイレブンに選出。183センチ、76キロ。血液型はO。

◆ロストフ 1930年創立。ホームスタジアムは収容人数4万5000人のロストフ・アリーナ。92年に初めてロシア1部に昇格し、14年にカップ戦を制して国内主要タイトルを初めて獲得。15年シーズンにリーグ2位となり、初めて欧州チャンピオンズリーグ出場権を獲得。スタジアムとホームタウンのロストフ・ナ・ドヌーは、18年W杯ロシア大会の決勝トーナメント1回戦で日本代表とベルギー代表が対戦した場所としても知られる。