ヴィッセル神戸の元日本代表FW田中順也(32)が25日、神戸市内での練習後にオンライン取材に対応した。

柏レイソルから神戸に移籍して4年目を迎え、7月には33歳になるベテラン。今季の目標には13年の柏時代以来となる2桁得点を掲げた。

「とりあえず2桁得点は何年もしていないので、自分が与えられた時間で、30歳を過ぎてからも達成したい。30歳を超えても衰えていない、まだまだたくさん走れるなと思っている」

新型コロナウイルスの影響で、シーズンが事実上、半年勝負になった。今後は1年ごとの勝負になる田中にとって「半年で過密日程になって、1人の出場時間が減るのでメンタル的には苦しい。(通常シーズンの)1年間よりは、かなりの覚悟が必要」と危機感をにじませた。

5月に、自身のアパレルブランド「セウエウ」で販売するマスクの収益を、神戸市の「こうべ医療者応援ファンド」に寄付すると表明した。新型コロナ問題に直面する医療従事者を応援するのが目的だった。その販売を今月15日に終え、約1800枚(600セット)を売り上げた。既に収益から経費を引いた金額を寄付した。

「微力ながら寄付を済ませました。まず寄付という形にたくさんの人が賛同してくれ、みなさんがマスクの使い心地を喜んでくれて元気が出た。医療従事者とも直接話す機会もあって、マスクのことも感謝してもらい、気持ちの面で少しはできたかなと思った」

自宅での自粛期間中はサッカーボールを買って、近所で練習したという。「プロになって(サッカーボールが)自宅になかった。娘のトランポリンや、バランスボードでちょっとした練習もした」と田中。昨年は23試合6得点だったストライカーが、7年ぶりの2桁得点で天皇杯に続く2つ目のタイトルを神戸にささげる。【横田和幸】