リーグ再開戦、アルビレックス新潟はドローでのリスタートとなった。エースFW渡辺新太(24)が2試合連続先制ゴールなど2得点。2-2で迎えた後半36分、MFシルビーニョ(29)の得点で勝ち越すが、後半アディショナルタイムにヴァンフォーレ甲府FW太田修介(24)に押し込まれ、3-3で引き分け。J1だった09年以来の開幕連勝を逃した。新潟は1勝1分けで勝ち点4。次節7月4日はホームでツエーゲン金沢と対戦する。

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新潟が11年ぶり開幕連勝を逃した。肌にまとわりつくような蒸し暑さの中、新潟は前半19分、少ないタッチでボールを回し、相手ゴール前に進入。FWファビオ(23)とのワンツーで渡辺新がエリア外から右足を振り抜き、2試合連続の先制ゴールを決めた。前半33分、35分と甲府FWドゥドゥ(30)に連続ゴールを許し逆転を許すが、前半終了間際に秋山裕紀(19)からの浮き球パスを渡辺新がダイレクトで決め、2点目。試合を振り出しに戻し、チームも勢いを取り戻した。

後半も新潟は優勢に試合を進める。後半36分に途中出場のMFシルビーニョ(29)の逆転ゴール。ほぼ勝利を手中に収めていたが、後半ロスタイムだった。ロングスローから甲府の太田に同点ゴールを押し込まれた。

開幕2連勝を狙ったアルベルト監督(52)は試合前日の26日、甲府の堅い守備からの速攻を警戒していた。相手DFラインにロングボールを蹴らせないよう渡辺新、ファビオが激しく前線からプレスをかけ続ける。流れの中から危険な場面を作られることはなかった。だが単調なパスミスや、練習試合からの課題としていたセットプレーからの失点、終了間際の集中力を保つという点で、修正することはできなかった。アルベルト監督は試合後、「サッカーは時に不公平な瞬間がある。次に切り替え次節に切り替える」と悔しさをにじませた。

勝ちは逃したものの渡辺新が2得点、途中出場の本間至恩(19)のチャンスメークなど好パフォーマンスを披露したことは好材料。次節はホーム開幕戦。戦い方の土台ができつつあることを形で証明する。【小林忠】

○…リモートマッチ(無観客試合)初戦は新型コロナウイルス感染防止の厳戒態勢の中で行われた。報道陣の入場は試合開始1時間前からで、入場時には連絡先の記入、検温、試合日2週間前からの体温、体調を記録したシートの提出が義務付けられた。試合中はスタンド席、ピッチレベルのカメラ位置など距離を取って指定された。試合後のインタビューは「Zoom」を使用。選手、監督との接触はまったくない状態で行われた。

▽アルベルト監督「試合ができない期間の影響がなかったかといえば、そうではない。ただチームとしては成熟している部分を見せてくれた。試合をコントロールできた部分とできていない部分があった」

▽シルビーニョ(今季初ゴールを決め)「今季はよりゴールに近い位置でプレーできている。勝利につながるゴールを決めたい。後半に入っても自分たちのペースだったが、やってはいけないミスで失点。全体として集中しなければ」

▽渡辺新太「1点目は練習していた通りの形、2点目は秋山といいフィーリングでできた。引き分けを次のホーム開幕戦につなげたい」