京都サンガFCが京都・亀岡市の新本拠地、サンガスタジアム　by　KYOCERAで、公式戦初勝利を飾った。

前半28分、新スタジアムの公式戦第1号はFWピーター・ウタカ（36）が決めた。ゴール正面にきた浮き球に反応し、左足でゴールネットを突き刺した。直後、ピッチ上の11人は報道陣のカメラの前へ。コロナと戦う医療従事者らへ感謝の意を込めて左腕を高々と挙げるゴールパフォーマンスをみせた。

さらに後半2分、再びウタカ。ペナルティーエリア内正面でボールを持つと、反転してゴール右隅に左足で押し込んだ。今度は全員でボウリングのピンのように並び、ウタカが投げるまねをすると、全員倒れ「ストライク」状態。自宅で応援するサポーターと喜びを分かち合った。

このパフォーマンスは元日本代表のDF森脇良太（34）を中心に考えたという。ウタカは「新スタジアムの初得点よりも、パフォーマンスのために絶対1点取らないとと思ってました」と笑った。

実好礼忠監督（47）にとっては就任後初勝利。前半の飲水タイム時にウタカに「1発狙ってくれ」と頼むと「任せろ」という言葉が返ってきたことを明かし、「すばらしいゲームをしてくれた。（新スタジアムの初勝利は）めちゃめちゃうれしい」と笑みがこぼれた。今季初勝利になった。【南谷竜則】

【サンガスタジアム　by　KYOCERA】

◆概要　京都・亀岡市に総事業費約176億円で建設された専用球技場で、20年1月11日に開場。条例上の名称は京都府立京都スタジアム。Jリーグ等の略称はサンガS。

◆収容人数　2万1600人。サッカー、ラグビーの国際試合も開催可能。

◆こけら落とし　2月9日にC大阪とのプレシーズンマッチを行い、1万7938人の観衆が入った。

◆大屋根　観客席最前列からピッチ側へ張り出して全席を覆う大屋根が特徴で、悪天候にも対応。屋根には太陽光電池を設置。

◆付帯施設　国際競技基準を満たすクライミング施設が備わる。また、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」放送期間、京都大河ドラマ館を開館している。