浦和FW興梠慎三(33)が同クラブでの通算100点目となる決勝ゴールを奪い、2-1で仙台を撃破した。後半23分から途中出場すると、同38分、FWレオナルドからの縦パスを受け、すかさず左足を振り抜いた。「エリア内でボールを持ったらシュートを打ちたかった。レオ的にワンツーが欲しかっただろうけど、得意な左足でいける好機会。ファーストタッチからうまくいった」と笑みをこぼした。

浦和では220試合出場で100得点に到達。「使ってもらった以上は(1試合)1点は決めないといけないので少ない」と満足しなかった。緊急事態宣言解除後、自主トレの合間にさいたま市内にあるなじみの飲食店を回ってテークアウトし、家で食べ続けて一時的に体重が増えたという。「困っていると聞き、微々たるものですけれど、そういうことしか僕にはできなかった」。SNS発信が苦手で「自分が何ができることを考えたら再開したらピッチで100%やることが大切なことかなと」。これで仙台戦は20試合18得点。秘めた思いを得意カードで爆発させた。

試合後、控室で選手全員の前で大槻監督から100点目を祝福されると、興梠は「チームが勝ったことが一番です」とあいさつした。同監督は「それが彼を表すすべて。あそこで出て決めるのが興梠慎三。これからも点を取ってほしい」と期待した。これでJ通算149点目。区切りのゴールに迫ったが「そこを目指してやっていない。100得点も自分がうれしいだけ。チームで勝ってみんなで喜び合いたい。決めて勝って喜びたい」。コンビを組むレオナルドも先制点を決め、湘南との開幕戦に続き、2度目のアベック弾で今季2勝目。「2ケタを取るのが真のエースだ」と9年連続の年間2ケタ得点を掲げた興梠はフォア・ザ・チームに徹し、ゴール量産を続ける。【藤中栄二】