一般社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)の初代代表理事(チェア)に就任した岡島喜久子氏(62)が13日、オンラインで就任会見を行い、意気込みを語った。

岡島氏は79年の第1回全日本女子選手権(現皇后杯)で優勝したFCジンナンの元選手で、日本代表でもプレー。79年の日本女子サッカー連盟設立にも関わるなど黎明(れいめい)期の女子サッカーを知り、大卒から現在に至るまで米金融大手などで要職を務めた経験があることも評価されて9日に就任が発表されていた。

この日も拠点を置く米国からオンラインで参加した岡島チェアは「WEリーグ創設は女子サッカー界にとって非常にいいニュースです。ぜひ日本の少女たちに会場で生のプレーの選手を見てほしい。WEリーグが夢の職業になるように、わくわくするような思いをもってもらいたい」と力を込めた。

日本代表では、FCジンナンの後輩でもある現代表監督の高倉麻子氏らともプレー経験がある。岡島チェアは「一緒に海外の大会に参加できて達成感を感じた」と思い出を語り、高倉監督とも3月に米国で行われたシービリーブス杯の際に現地で会話したことを明かした。「元チームメートなので頑張ってほしいと思っています」とエールを送った。

現在暮らす米国はW杯2連覇中と女子サッカーでは無類の強さを誇っている。現地で感じる女子サッカー熱からの学びを日本へ伝える必要性も口にし、米国から選手、コーチを招いたり、大学選手のドラフトの実施、選手と少女の交流機会の提案などを具体例に挙げた。

課題となるのは観客動員なども含めた運営資金の確保となる。会見では日本サッカー協会から来年のリーグ開幕に向けて4年間で計8億円の援助を受けることが明かされ、今後はリーグを支えるパートナー企業との交渉にも力を入れていく。すでに前向きな返答を受けている企業もあるとし、「スポーツが盛んな米国でさえ、女子にはお金が入ってこない。長期的に成功させるには理念に協賛してくれる企業を探していかないといけない」と話した。

チェアとしての任期は2年。年に数回は日本を訪れることもあるが、今後も米国に拠点を置いて職務を行っていくといい「新型コロナウイルスの影響もあり、今のところ全てウェブで行っていますが、支障なくコミュニケーションはできている。連絡をとりあいながらやっていきたい」と意気込んだ。【松尾幸之介】