新潟医療福祉大が新潟経営大を3-0で破り、5年連続5度目の優勝を果たし、天皇杯本戦進出を決めた。5年連続同一カードとなった決勝は前半から新潟医療福祉大が押し気味に進める。0-0で折り返した後半5分、FW小森飛絢(ひいろ、2年=富山第一)が先制点。DF沼田皇海(すかい、2年=尚志)、FW有田朱里(3年=市船橋)が追加点を奪い、突き放した。中盤はJ3富山の強化指定選手としてリーグ戦出場を続けるMF松本雄真(3年=尚志)が支配。激しいボール奪取と正確なパスで「スター軍団」をけん引した。

チームの「心臓」松本が豊富な運動量で中盤を支配する。競り合いの場面やこぼれ球を拾い続け、攻守にチームを支えた。「前半は連係不足があり、パスがずれたが、後半はうまく修正できた」。J3富山への22年からの入団が内定している松本は特別指定選手として現在、富山での練習参加とJ3リーグ戦出場を2カ月以上続けている。「一昨日の夜に新潟に戻ったばかりだけど、みんなと試合ができることがうれしい」。2回の全体練習参加、大学チーム初出場とは思えない動きで決勝のピッチを躍動した。

松本を中心に終始ボールを支配した新潟医療福祉大は0-0の後半5分、18年全国高校総体得点王のFW小森がMFシマブク・カズヨシ(3年=浦和ユース)の縦パスを左足ダイレクトで合わせ、先制。後半26分には第97回全国高校選手権で“スカイ砲”として一世を風靡(ふうび)したDF沼田がPKで追加点を奪うとロスタイムにはFW有田がダメ押し弾を決め、守備を固めた相手を振り切った。

「高いレベルで練習や試合ができている。感じたことをチームに還元したい」。富山でも存在感を放ち始めている松本は、ここまでJ3リーグ戦4試合に出場。「試合の流れや時間帯に応じたプレーが少しはできるようになった。大学リーグ戦や天皇杯でも90分相手を支配できるよう、全員でしっかり戦いたい」と決意を固める。

新潟医療福祉大は9月23日に長野県代表アルティスタ浅間と天皇杯初戦2回戦を戦うことが決まった。「まずは初戦突破。先を考えず1戦1戦しっかり戦いたい」。高いレベルを肌で感じる松本を中心に、「スター軍団」が天皇杯で快進撃を狙う。【小林忠】