川崎フロンターレMF山村和也が、思いのこもった最高の今季初ゴールを決めた。8月29日清水戦以来、リーグ戦では今季2度目の先発出場。2-0の後半5分、相手DFのクリアボールをゴール正面で拾うと、迷わず右足を振り抜いた。きれいな軌道を描いたミドルシュートはゴール右隅へと吸い込まれた。山村は表情を崩すことなく立ちすくすと、すぐに仲間にもみくちゃにされた。歓喜の輪の中、そっと目を閉じてゴールをかみしめた。

試合後の会見で、山村は今年に誕生した第3子が生後2カ月で亡くなったことを明かした。

「今年は家庭で3番目の子どもが生まれたのですが、2カ月で亡くしてしまって、天国で活躍している姿を見せたかった。それでああいう感じになりました。みんなが喜んでくれて、すごくうれしく思います。早く活躍しているところを見せたかったというか、試合に出られない悔しさもありましたけど、そういうところが強かったので、目に見える結果を子どもに届けられたかなと思います」

山村の、家族みんなの思いは、ファインゴールとともに、きっと天国に届いたはずだ。