セレッソ大阪がまたも天敵の鹿島アントラーズに屈し、連勝は6でストップした。

先制されたが直後の前半36分にFWブルーノ・メンデスのゴールで追いつく。主導権をつかみかけながら、後半開始直後の失点が決勝点となり、痛恨の黒星を喫した。鹿島にはJ1リーグ戦6連敗、ホームでは8連敗。この日から新型コロナウイルス感染拡大防止のための入場制限が緩和され6836人が訪れたが、勝利で応えられなかった。

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なぜか鹿島の前では「らしさ」を失う。後半開始直後、C大阪が決勝点を奪われたシーンが象徴的だった。組織的にゴール前を守りきるのがC大阪の強みだが、バタバタと崩れて失点した。MFデサバトは「相手の圧力に負けてしまった」と振り返った。

負けられない一戦だった。前節のヴィッセル神戸戦はFW都倉賢の退場で数的不利になりながら勝利をもぎ取った。独走する首位川崎フロンターレを追い、鹿島戦は逆転優勝へ望みをつなぐ戦いだった。最後は猛攻も相手GKの好守に、クロスバーにシュートが阻まれた。運もない。その結果が鹿島戦6連敗。ホームでは8連敗の屈辱だった。

ロティーナ監督は「難しい試合だった。長いボールを使った攻撃は分かっていたが苦しんだ」と振り返る。DF片山瑛一は「デュエル(接近戦)の強さは伝統的にこだわっている。気迫を感じた」と言った。鹿島は立ち上がりから、高い位置でプレスをかけボールを支配しにきた。その戦いを身に染みて分かっていながら、対応できなかった。

この日から収容数の上限が緩和された。新型コロナウイルス感染拡大防止のため5000人だった上限が8100人に。前売りは5435だったが、当日を含めて6836まで伸びた。C大阪の連勝を後押ししたいサポーターの思い。応えることはできなかった。

追いかける立場として痛恨の黒星だが、可能性がある限りあきらめるわけにはいかない。片山は「今日出た課題を次に生かしていきたい」。川崎Fとはまだ10月3日にホームで直接対決がある。それまで絶対に負けられない。【実藤健一】

◆C大阪の天敵・鹿島 J1リーグ戦での対戦成績は14勝4分け23敗の負け越し「9」となった。特に最近は17年4月8日のアウェー戦で勝利して以降6連敗。過去5連敗はすべて完封負けだったが、それを阻止するのが精いっぱいだった。ホームでは11年から8連敗。同一シーズンのクラブ連勝の最多は05年の「7」だが、それを止めたのは鹿島で、昨季の連勝も5で阻まれたのが鹿島だった。