横浜FCが大卒1年目のMF松尾佑介(23)の2発で浦和を下し連敗を2で止めた。

浦和の下部組織出身の松尾が“故郷”で躍動した。前半16分、MF手塚のゴール左のパスをペナルティーアーク付近で受けると迷いなく右足を振り抜いた。

前半35分にはMFレアンドロ・ドミンゲスのスルーパスに抜け出し2点目。小学生時代、前座試合で戦った「夢舞台」の埼玉スタジアムでプロとして初ゴールを決め、「このスタジアムは僕にとって特別な場所。チームが違いますが幸せをかみしめながらプレーしていた」と振り返った。

浦和ユースからトップに昇格できず仙台大へ進学。昨季は仙台大4年で特別指定選手として横浜FCでプレーし、J2で21試合6得点。今季はJ1の舞台で17試合6得点と結果を残している。

浦和ユース時代は、浦和の大槻監督の指導を受けていた。「お前の良さが何ひとつ分からない」など、厳しい言葉を受けたがそれを反骨心にのしあがってきた。

恩師の前での2発に「ベンチで圧迫感があった。ちょっと圧は感じましたけど、あとは特にないです」とサラリ。7月はホーム(ニッパツ)で浦和に0-2で敗れており「ここで2-0。やられた分、やり返せたのは大きかった」。「倍返し」はならなかったが、しっかり「恩返し」は決めて見せた。

メンタルも強く「ゴールを取らないとたたかれる選手になりたい」と話す。浦和のエースFWレアンドロは同じ年で9得点していることに触れ、「レオナルドに負けたくないし。もっと貪欲にゴールに向かうことをしたい。いい循環を生むためにもそういう選手になりたい」とエースの自覚を口にしていた。【岩田千代巳】