サッカー神奈川県社会人リーグ2部の男子チーム「はやぶさイレブン」に加入した元女子日本代表FW永里優季(33)が7日、日本スポーツ産業学会などが主催するオンラインイベント「スポーツビジネスジャパン」の講演に出演し、米女子リーグ「NWSL」での経験や日本との違いなどを語った。

永里は女子ホッケー日本代表候補の小野真由美、一般社団法人日本トップリーグ連携機構の田口禎則事務局長らと登壇。「注目される女性スポーツ~さらなる飛躍のきっかけとは~」をテーマに議論した。永里が女子サッカー認知度の変化を感じたのは自身も出場した15年W杯カナダ大会後だと明かし「19年のW杯から完全に変わりました。米国でもスポンサー企業が増えたり、放映権料が入ってくるようになって、経済面でも変わった」と語った。

米国ではクラブからの給料とは別にCM出演等で収入を得る選手も少なくないとし、永里は「コロナがあったのでリスク管理やマネジメント面でも意識が高まって、一緒に質の良いものを作っていこうという流れにはなっています」と説明。米国ではSNS等で他競技と連携して盛り上げる取り組みも積極的に行われているという。

米国は15年、19年W杯を連覇するなど、女子サッカー界では世界トップを走っている。19年W杯後には米国代表のレジェンド、MFラピノーが男女賃金格差改善等を訴えるなど、選手個々の活動規模も大きい。永里はこれらの選手について「社会問題に高い意識を持っている選手は多いですね。同じ境遇の人たちのことも考えながら、自分の影響力を考えて発信している」と分析した。永里自身も男子チームの「はやぶさイレブン」に加入した際に「このアクション自体が私の表現だと思っている。いろんな形のメッセージとしてみんなが受け取ってくれたら」と口にしており、米国で感じた選手らの取り組みに強い影響を受けている様子だった。

今後については「もっともっと女性スポーツの価値は上がっていく」と予想した。「選手がどんな価値観を大切にしているのかを明らかにして、クラブもサポートすればいいんじゃないかなと思います」と話し、さらなる女性スポーツの発展を願った。