C大阪が「ロスタイム弾返しだ!」とばかりの劇弾で、連敗を2で止めた。湘南の高い位置からのプレスに苦しみ、0-0のまま迎えた後半47分、CKからDFマテイヨニッチが頭で決勝ゴールを決めた。前節名古屋戦では後半ロスタイムの失点で敗れたが、粘り強い戦いで連敗を阻止し、J1ホーム通算150勝を達成。逆転優勝は絶望的な状況だが3位を死守し、上位争いに食らいつく。

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C大阪の「沈没」危機を救ったのは、DFマテイヨニッチだった。0-0の後半ロスタイム2分。丸橋のCKから頭で決勝ゴール。「マル(丸橋)からいいボールがきた。合わせるだけだった」。チームを覆っていた重い空気も払った。 最下位の湘南相手に厳しい戦いをしいられた。ロティーナ監督は「予想通り難しい試合になった。湘南はいい守備をした」と振り返ったが、C大阪もらしさを失っていた。FW都倉に続き不動の右SB松田が負傷離脱。この日は右に片山、左に丸橋で臨み、最後に丸橋が大仕事を成し遂げた。 首位川崎Fに完敗し、前節は名古屋にミスから後半ロスタイムの失点で敗れた。この日もミスが目立った。「ミスが多かったのは勝たなければいけないとナーバスになっていたのかも」と指揮官。ズルズルと沈みかけた展開で生まれたマテイヨニッチの劇弾。「前の試合はロスタイムで負けていたから運が向いてきた。いい勝利になった」とひげをたくわえた男前の顔をほころばせた。 川崎Fとは勝ち点17差。逆転Vは絶望的だが、戦いを諦めるわけにはいかない。少しの希望の光をともす、劇的勝利となった。【実藤健一】