開志学園JSCが3年ぶりの4強入りを決めた。昨年準Vの日本文理に2-0で勝った。押されっぱなしだった前半を耐え、0-0で迎えた後半7分にFW安本勇輝(3年)が貴重な決勝ゴール。同18分にはFW長内宏充(3年)が追加点を挙げて逃げ切った。準決勝は3日に行われる。

  ◇   ◇   ◇  

試合の流れと、チームに勢いを呼び込む先制ゴールだった。0-0の後半7分。FW安本はもらったボールを胸でワントラップ。右足シュートは浮き球になって相手GKの頭を越えた。前半はチームシュート0本に抑えられ、我慢の時間帯が続いた。ところが1得点を口火に持ち前のカウンターがさく裂し、相手ゴールを何度も脅かした。

「うれしい。それに尽きる」。安本は声を弾ませたが、無理もない。Bチームからトップチームに上がったばかり。10月27日の練習前に指導陣から「Aチームに上がれ」と告げられ、そのまま練習に合流した。この日が選手権初出場で初先発、そして初ゴール。“シンデレラボーイ”は勝利へのダイナモになり、チームはペースを取り戻した。

3年ぶりの4強進出。6年ぶりの優勝へ、あと2勝。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、人工芝に崩れ落ちた日本文理MF長崎颯真(3年)を助け起こした主将のMF元田陸(3年)は「日本文理の分まで勝つ」と相手に誓った。安本は「体力と泥くさいプレーが評価されたと思う」とAチーム昇格の喜びをピッチで表現しながら、準決勝・新潟明訓戦でもゴールを狙う覚悟だった。【涌井幹雄】