MF中村憲剛(40)の今季限りでの引退発表から一夜明けた2日、川崎Fの鬼木監督とDF登里、MF脇坂がオンライン取材に応じた。会見の数時間前、中村がミーティングで引退を報告した際は選手全員が泣いたといい、登里は「憲剛さんがいたからここまで成長できたし、憲剛さんみたいな選手になりたいと背中を見て頑張ってきた存在。寂しい気持ちになった」。脇坂は「前日に(決勝点を決めた東京戦での)すごいプレーを見ていたし、それで『この人を超えないと』と思っていた。涙が止まらなかった」と明かした。

事前に引退の報告を受けていた鬼木監督は、「けっこう引き留めたが、本人の強い決意を感じた」という。中村は1年前に左膝の大ケガを経験したが、懸命なリハビリで見事復活。5年前から40歳での引退を決めており「決意があったから頑張れた」という中村に対して、同監督は「来年に向かっていたんじゃなくて、自分がやりきるための決意だったのかな。だから逆に、40歳になろうとしている選手をまだ成長させたい、という思いをかき立てられたのかもしれない」と、今だから分かる心情に思いを巡らせていた。【杉山理紗】