コンサドーレ札幌が悲願の1勝を挙げた。今季リーグ戦でわずか1敗、12連勝中の首位川崎Fに2-0で快勝し、JリーグではJ1、J2通じ初勝利を挙げた。後半17分にFWアンデルソン・ロペスが先制点、同20分にMF荒野拓馬(ともに27)が2点目を挙げ、J2の99年からリーグ戦計5分け18敗(J1では2分け9敗)の難敵を撃破した。今季残り7戦へ勢いをつける白星となった。

    ◇    ◇    ◇

勝った。J2の99年から勝てなかった川崎Fについに勝った。2得点に油断することなく、J1では初めて無失点で抑えきっての快勝。ミハイロ・ペトロビッチ監督(63)は「運動量、球際、規律。選手たちは素晴らしい試合を見せてくれた」。13戦でわずか1勝の8、9月でもぶれずに貫いたスタイルが、今季終盤に結果として刻まれた。

前節10月31日G大阪戦から中2日の一戦で布陣を替えた。好調のFWロペス、ドウグラス・オリヴェイラを先発から外し、ストライカーを置かない“ゼロトップ”で臨んだ。「自分が前線でプレスを掛け、ショートカウンターを狙う」という荒野を中心に、豊富な運動量で敵陣深い位置で相手に圧力をかけ続けた。

攻勢が得点につながる。後半17分、ロペスの先制点は、敵陣で荒野がプレスをかけ、MF駒井が競り合いで奪って生まれた。3分後の荒野の追加点もハーフラインで自らが相手に詰め、ロペスが奪い、ドウグラスがつないだ結果だ。指揮官は「相手に対して狙いを持った戦い方で勝利できた」。川崎Fにはリーグ戦ではJFL時代の97年9月4日に延長で4-3で勝って以来、Jリーグでは24戦目で初、カップ戦を入れても08年3月23日ナビスコ杯で挙げた唯一の勝利以来の白星となった。

負の歴史を払拭した。18年には0-7の大敗を喫し、今季も8月15日ホーム戦で1ー6で敗れた。ペトロビッチ監督が18年の大敗を、その後もミーティングの話題に持ち出すほど勝ちたかった相手だ。リーグ戦12連勝中の相手に土を付ける1勝に、荒野は「あれだけ連勝していた首位の川崎にこうした試合ができて自信になる」。そして続けた。「まだまだ僕たちは挑戦者。1試合1試合大事な試合は続く」。残り7戦。好不調の波の激しい今シーズン。勝ち続ければ10位だった昨季を超える順位も見えてくる。【浅水友輝】