東海大静岡翔洋が常葉大橘に2-0で快勝し、2010年(平22)以来10年ぶりの4強進出を決めた。FW市川舜基(よしき、2年)が序盤に先制点を決め、勢いをもたらした。準決勝は7日にエコパスタジアム(袋井市)で行われる。

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東海大静岡翔洋FW市川が、4強への道を切り開いた。0-0で迎えた前半13分、ゴール左45度の位置でパスを受けた。「練習からやってきた形」。迷いのない動きで相手DFをわずかに外しコースをつくると、狙い澄ました右足シュートでネットを揺らした。

今大会3点目は、試合序盤での貴重な先制点となった。ベンチ前で手荒い祝福を受けた2年生ストライカーは「打った瞬間に入ったと思った。成果が出た」と納得の表情。チームとしても、同36分にCKからMF大槻一馬(3年)が頭で追加点を挙げ、快勝した。

市川は2~3カ月前から、通常の靴下ではなく親指の部分が独立した「2本指ソックス」を着用する。「(スパイクの中で)足が滑らずにフィットする」と理由を説明。細部の感覚まで大切にする点取り屋の“こだわり”が、ゴール前の輝きにつながっている。

1日の藤枝東戦に続き、U-18プリンスリーグ東海勢の常葉大橘を撃破。勢いに乗って臨む10年ぶりの準決勝では、2年前の県王者・浜松開誠館と対する。「失うものはない。名門復活を意識して1戦1戦、しっかり戦っていきたい」と市川。前身の東海大一時代には全国選手権優勝も果たした古豪が、復活ロードを突き進む。【前田和哉】