神戸弘陵が2大会連続11度目となる全国切符をつかんだ。

前半10分に左サイドからのFKを獲得。FW松野隼輝(3年)が蹴ったボールは、直接ゴールへと吸い込まれた。「距離が遠かったので大きめに上げたら、いい感じに入った」と、運も味方につけて先制した。

後半27分にも右CKから、1度は三田学園のGK中西孝太(1年)に弾かれたが、ゴール前でもつれたボールをDF田中百々輝(2年)が押し込み、2点目を挙げた。さらに試合終了間際には、途中出場のMF白山麟(3年)がダメ押しのゴールを追加。得点が決まった次の瞬間にホイッスルが鳴った。

優勝が決まった瞬間、無観客の会場に選手たちの歓喜の声が響いた。新型コロナウイルス感染予防のため、今大会はメンバー登録された部員とスタッフら以外、限られた人数しか会場に立ち入ることができなかった。

神戸弘陵イレブンの背中を押したのは、準決勝の滝川二戦の前日に、チームメートから送られてきた動画だった。ピッチに入る際の応援歌などを、メンバー外の2、3年生が歌って撮影したものだった。

先制点を決めた松野は「刺激になったし、鳥肌が立ちました」。決勝前日にも「頼んだぞ」と送り出されたといい、「優勝して、恩返しができてよかったです」と笑顔を見せた。

主将のDF木谷亮太(3年)は、全国での目標について「まずは初戦を乗り越え、去年のベスト16を超えたい。学校の新たな歴史を作れたら」と意気込んだ。選手権は93年度のベスト8が過去最高成績。全国でもチーム一丸となって、勝ち進む。【佐藤あすみ】