覇権奪回に燃える前年度全国準Vの青森山田が、24年連続26度目の優勝を果たした。決勝は八戸学院野辺地西と4年連続同一カード。昨年はPK戦で辛勝も、今年は後半に襲いかかり3-0で快勝し、00年からの県内連勝記録を「366」に伸ばした。

後半10分、背番号「10」のMF松木玖生(2年)が左足を振り抜き先制。同20分にFKからDF秋元琉星(3年)がヘディング弾、同36分には途中出場のMF内間隼介(3年)がファーストプレーでとどめを刺した。全国選手権(12月31日開幕、東京・駒沢陸上競技場ほか)では2大会ぶりの頂点を目指す。

王者はやはり王者だった。0-0の均衡を破ったのはエース松木。MF小原由敬(2年)のパスでDF2人の間に抜けると、思い切りよく左足を振り、鋭いグラウンダーシュートは右ポストに直撃しながらゴールに吸い込まれた。「まずはチームが勝つことが第一優先で、自分のゴールで勝てたのは光栄なこと」。チームメートと喜びを分かち合い、最後は両手でスタンドに投げキスし、ゴールセレブレーションを締めた。

前日7日には前年度決勝で2連覇を阻まれた静岡学園が県大会準決勝で敗退するなど強豪校が苦戦。「自分は特に何も感じてなくて、絶対勝つという気持ちで臨んだ。本当に負ける気はさらさらなかった」。先輩にも物おじせず「優大(DF藤原優大主将)入っていいよ」「ウッチー、ウッチー(DF内田陽介=ともに3年)」とピッチでは学年に関係なく指示を送る。黒田剛監督(50)は「前半にあわよくば1点取れればと思っていたけど、0-0でも想定内だった」。盤石の試合運びでV24。王座奪還へ死角はない。【山田愛斗】