桐光学園が、ライバル日大藤沢とPK戦にまでもつれ込む大激戦を制し、決勝進出を果たした。

昨年の決勝と同一カードとなった試合、先制したのは桐光学園だった。前半16分、左CKからMF栗原祥太(3年)が速いボールをゴール前へ蹴り込むと、日大藤沢GK浜中英太郎(3年)がキャッチしきれずゴールイン。

追う展開となった日大藤沢は、MF斉藤夏(3年)を軸としたテンポのいいパスワークからサイドの選手を走らせ、チャンスを広げる。迎えた後半24分、ペナルティーエリア外からMF斉藤が右足で強烈なミドルシュート。選手に当たり、少しコースが変わったボールはゴール左隅へと飛び込み、1-1の同点とした。

後半40分、桐光学園は絶好のチャンスを迎えた。途中出場のMF粟江晟(2年)が左サイドをえぐり、ゴール前へマイナスのラストパスを送る。FW庄司朗(3年)がスルーし、右サイドから中央へ走り込んだMF斉藤凌玖(2年)が左足で蹴ったが、ボールは浮いてゴール上へ外れた。試合は80分(前後半40分ハーフ)で決着がつかず、延長戦となった。

延長前半終了間際、日大藤沢はケガ明けでベンチスタートだった身長192センチの大型ストライカー、FW鈴木輪太朗(ワディ)イブラヒムを投入。この鈴木が延長後半5分、ゴール前のこぼれ球に素早く反応し、相手選手と競り合いながら右足でワンタッチゴール。勝ち越しに成功した。

もう残り時間は5分ほど。日大藤沢の勝利か、と思われた展開で、桐光学園がすぐさま追いつく。縦パスを受けたDF奈良坂巧(3年)がワンタッチで左前方のスペースへ流すと、そこへ走り込んだMF粟江が冷静に左足でゴールを決めた。2-2。桐光学園ベンチは感情を爆発させての大騒ぎ。両者の意地と意地がぶつかり合う好ゲームとなった。

そして試合は20分の延長戦でも決着がつかず、PK戦へと持ち込まれた。ここで桐光学園主将のGK北村公平(3年)が2人目を止めると、日大藤沢GK浜中も3人目をセーブした。

5人を終了し、4-4でここでも譲らず、6人目のキッカーへ。日大藤沢DF松本遼成(3年)の鋭いキックはクロスバーをたたいた。そして後攻の桐光学園MF山市秀翔(2年)が正確なキックでゴールネットを揺らし、試合開始から2時間20分に及ぶ大激戦の勝敗が決した。

2年ぶりの全国大会へあと1勝となった桐光学園の北村主将は「直にうれしいです。去年の決勝で負けていたので、その借りを返したかった。強い気持ちで戦いました。まだ何も成し遂げていないので、自分たちの目標(全国大会)を達成したい」と表情を引き締め、語った。

11月28日の決勝は、桐蔭学園との伝統校同士の対戦となった。