J2アルビレックス新潟の2年目GK藤田和輝(19)が雪辱を誓った。

20日はクラブハウスのある聖籠町で最終調整。21日に敵地で対戦する金沢はデビュー2戦目となったホームでの前回対戦(7月4日)で3-5と大敗を喫した相手。個人としても、チームとしても連敗はできない。リーグ戦は残り8試合。J1昇格争いに生き残るためにも負けられない戦いが続くが、藤田がゴールに鍵をかけ、3試合ぶりに勝ち点3をもぎ取る。

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藤田が強いメンタルを武器にゴールを守る。冒頭のみ公開されたこの日のGK練習でも安定したキャッチングで、調子の良さをみせた。「試合出場を続けていることでプレーもメンタルの部分も成長できている」と手応えを感じている。

フル出場した前節15日の千葉戦終了後、U-19日本代表候補合宿(15~18日、千葉・JFA夢フィールド)に参加。8月に現役引退した元日本代表の内田篤人ロールモデルコーチ主体で行われたミーティングでは、シャルケ時代(10~17年)ともにプレーしたドイツ代表GKノイアー(バイエルン・ミュンヘン)らの19~20歳ごろの映像を見ながら、代表でプレーする意義や意識の持ち方を聞いた。「ノイアーのプレーはもちろん、世界で戦った内田さんの言葉には重みがあった。これからの練習や試合に生かしたい」。

今季はここまで14試合に出場。ホームデビュー戦となった金沢との前回7月4日の対戦では屈辱の5失点を喫した。「あの時は失点から立ち直るメンタルが足りず、ミスからPKも与えてしまった。悔しい思いをした」。その苦い経験をバネに練習を続け、ここ数試合は安定したセービングと果敢な飛び出しで多くのピンチを防いでいる。「あの時に比べ、自信はついた。金沢戦では成長を見せつけたい」とリベンジに燃える。

リーグ戦は最終盤に突入。残り8戦で新潟は勝ち点53の6位で、J1昇格ラインの2位福岡が68とその差は15。逆転昇格へ1つも落とせない状況で、FW渡辺、MFゴンサロ・ゴンザレス、MF福田、DF新井が故障で戦線を離れる。GK小島とMFロメロも別調整中と厳しい戦いが続くが、金沢戦で勝利をつかみ、勢いを取り戻したい。藤田は「自分らしさを出して勝利に貢献したい」と力を込めた。【小林忠】