なでしこリーグ1部、5位の新潟レディース(L)は今日21日、2位のINAC神戸戦(ノエビアスタジアム)で今季リーグ最終戦を迎える。10月11日のノジマステラ神奈川相模原戦から5試合連続先発出場のGK高橋智子(23)が4連続無失点で最終戦を締め、チームのリーグ最少失点(15失点)を守る。

高橋の表情からはリーグ最終戦にかける思いが強くにじみ出る。アウェーのC大阪堺戦(10月4日)の後半から途中出場し、その後、5試合連続で先発出場する。先発の5試合では1失点で3連続無失点中。なでしこジャパンメンバーの正GK平尾が左膝を痛めて戦列を離れ、巡ってきた出場機会だった。

「最初は自分の良さが出せずにいた」と高橋。緊張こそなかったが、ピッチに立つとスピードや雰囲気など、試合でしか感じ取れない“重圧”があった。指示出しも何を言ったのかも覚えていない。最初は声を出すことで精いっぱいだった。奥山監督は「昔からメンタルが弱かったが、緊張感や多様な困難から逃げずに向き合っている。負けない姿が最近、強く見られるようになってきた」と高橋の成長を感じ取っている。

高橋は先発3試合目から徐々に自信を持ち始めたという。キックも含めてDFラインとの連係や、ポジショニングでも落ち着いてプレーできてきた。高橋は「いいプレーが続いているので最後は出し切るだけ。(戦列を離れる)平尾の思いも背負い、戦いたい」。最終戦を「0」で抑えれば、自身4連続無失点。持ち味であるフィードや攻撃につなぐキックを生かしつつ「絶対に止めるという強い意志を持って」、チームのリーグ最少失点(15失点)も守る。【飯嶋聡美】