アルビレックス新潟はアウェーでツエーゲン金沢に2-1で競り勝った。同点に追いつかれた直後の後半25分、主将のDF堀米悠斗(26)がペナルティーエリア左から決勝ゴールを奪った。これで14勝14分け7敗で勝ち点を56に伸ばし、J1昇格圏の2位アビスパ福岡との勝ち点差は15から13に縮まった。順位も6位から5位に上げ、次節(25日)、ホームに愛媛FCを迎える。

主将の左足が勝負を決めた。1-1の後半25分、MF本間至恩(20)が華麗なヒールターンから右サイドを切り裂き、中央へ低いクロス。ペナルティーエリア内に走り込んだ堀米はワンタッチ後、ニアサイドにコントロールショットを流し込んだ。「トラップをいい位置に置くことと、芝が長かったので(ボールが)足元に入りすぎないように気をつけた。狙い通りのシュートだった」。ゴール後は敵地まで駆けつけたサポーターとともに決勝点を喜んだ。

前半は思うようにシュートまで持ち込むことが出来なかった。だが後半10分のFW鄭大世(36)の先制点で攻撃が一気に活性化。何度も決定機を作り出したが追加点を挙げられずにいると同22分に同点に追いつかれた。直後の給水タイム。「チームとしてゴールに向かう姿勢を再確認した。個人としては(後半途中から)ポジションが1つ前(左MF)に上がったので、より得点を目指した。勝利に貢献出来て良かった」と堀米は今季2得点目と、3試合ぶりの勝ち点3ゲットを振り返った。

直近2試合では狙い通りにゲームを進めても思うように得点を奪えず、守っては崩されてもいないのに失点し、1分け1敗と勝ち星を逃していた。過密日程、ケガ人続出のチーム状況でつかんだ勝利。J1昇格ラインの2位福岡との勝ち点は13差に縮めた。「1試合ずつ自分たちのプレーをしっかりするだけ」と浮かれることなく気持ちは次節に切り替えている。

「ゴメス」のあだ名で呼ばれるこの日のヒーロー堀米に、アルベルト監督(52)は「あだ名はゴメスではなく、イブラ・ゴメスだ」とACミランのFWイブラヒモビッチに例えるほど上機嫌。「成長著しい。複数ポジションをこなせる重要な選手」と絶賛した。リーグ戦残り7試合。頼れる主将が逆転J1昇格に向け、チームをけん引する。【小林忠】