アビスパ福岡が、連勝で9試合連続負けなしとし、16年以来のJ1復帰を決めた。愛媛FCを下し、3位長崎が引き分けたため1試合を残し昇格を決めた。

    ◇    ◇    ◇

長谷部茂利監督(49)は、理想の監督像について「勝ち点を取れるのがいい監督。『あの人が来たら勝ち点が取れる』。そう言われるようになりたい」とのスタンスで、指導者人生を歩んできた。そして、人生のモットーは「創造」だ。「選手だった時も指導者になってからも、その言葉にいつもチャレンジし、寄り添える考え方を持ちながらやっているつもり」と話す。

MF前主将は、監督について「自分のスタイルを求めたり、いろいろあると思うが、現実主義で貪欲に勝ちを求める監督」と感じている。開幕前、昇格へ逆算した勝ち点を「81」と想定。低迷期もあったが、前は「熱く勝負ごとに対する執着がすごく、勝つための戦術、選択をする監督」に引っ張られ、目標に突き進んできたと振り返る。

そんな指揮官の趣味は釣り。現在家族と一緒に住み「子どもがまだ小学生なので、遊び相手を務めるのが楽しい」。福岡に来た当時は「食べ物はその土地、土地の物を全部制覇したい」との思いがあったそう。ただ、コロナ禍で揺れた今年は「ほぼ何もしていない」。だが、J1昇格という最高級の料理を味わうことができた。【菊川光一】

◆長谷部茂利(はせべ・しげとし)1971年(昭46)4月23日、横浜市生まれ。桐蔭学園-中大。94年V川崎(現東京V)入り。川崎F、神戸を経て市原(現千葉)で03年に引退。06年から指導者になり、神戸ヘッドコーチ、千葉監督代行などを務め、18年から2シーズンJ2水戸を指揮し、今季から福岡監督に就任。173センチ、69キロ。