J2福岡が16年以来のJ1復帰-。愛媛に2-0。3位長崎が引き分け、徳島との最終戦を残して決めた。神戸や千葉で主将経験がある就任1年目の長谷部茂利監督(49)が、その“キャプテンシー”で率いた。攻守に主導権を握るスタイルで、目標に掲げていた勝ち点「81」に、この日到達。コロナ禍、主力の離脱もあったが、総力戦で乗り越えた。クラブは手腕を評価する長谷部監督続投が基本路線。来季はJ1で「長谷部イズム」旋風を起こす。

    ◇    ◇    ◇

J2アビスパ福岡が、連勝で16年以来のJ1復帰を決めた。敵地で愛媛に2-0と快勝。3位長崎が引き分け、徳島との最終戦を残し悲願を成就。長谷部茂利監督(49)は「狙ってた通り。やりたいゲーム内容で結果を収められた」と喜んだ。

前半19分、MF山岸が右CKを押し込んで先制。同ロスタイム1分、FW遠野が今季11点目を決めた。先行逃げ切りの得意な形で24勝目を奪った。

39得点62失点の16位に撃沈した昨季からJ1復帰を目指した今季。昨季、水戸を一時首位に立たせるなど成長させ、7位に導いた長谷部監督の手腕の下、巻き返しを期す“新生アビスパ”の戦いが始まった。

課題だった堅守の再構築はもちろん、実際、ボールを敵陣のハイプレスで奪い、ショートカウンターで仕留める戦法を強みに、後方からパスでつなぎ前進するスタイルのチームをことごとく餌食にしていった。

選択肢が増える5人交代枠も大きかった。コロナ禍の過密日程で調整や選手起用の難しさがある中、前半から先制パンチを与える高強度のまま、最後まで大崩れせず。守備もリーグ最少29失点と鉄壁だった。

◆アビスパ福岡 1982年創部の中央防犯ACM藤枝サッカークラブが前身。翌83年、静岡中西部3部からスタートし92年JFL2部優勝。93年JFL1部昇格。94年藤枝ブルックスとなりJリーグ準会員。95年に本拠地を福岡に移転、福岡ブルックスとしてJFL優勝。Jリーグ加盟を決め、アビスパ福岡に改称。「アビスパ」はスペイン語でスズメバチの意味。本拠地は福岡市のベスト電器スタジアム。