昨季J1で28得点し、得点王とMVPに輝いたケニア代表の柏レイソルFWマイケル・オルンガ(26)が、カタール1部アルドハイルに移籍した。柏が13日に公式発表するよりも先に、現地時間12日のアルサド戦に先発出場。柏サポーターは、新天地でプレーするオルンガを見て移籍を知るという前代未聞のハプニングとなった。

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サポーターは寝耳に水だったに違いない。12日深夜、オルンガがアルドハイルの先発メンバーに名を連ねた。通常は、移籍先クラブの正式発表に合わせ、前所属クラブも退団を発表し、その後に公式戦に出場する流れだ。だが、海外クラブならではのサプライズが待っていた。両クラブの正式発表前にもかかわらず、オルンガが新天地のユニホームに袖を通し、背番号「26」をつけてアルサド戦のピッチに立った。オルンガは後半21分までプレーし、チームは1-3で敗れた。

柏のサポーターは、深夜にもかかわらずSNSで「公式出てないから疑いつつ調べたらほんまにスタメンやった…」「移籍するのは察していたけど、せめて発表してから試合出てくれよ」「リリースされる前にスタメンは草」と驚きの書き込みを続けた。柏は日付が変わった13日に公式ウェブサイトで移籍を発表した。

アルドハイルの異例の先発起用で、想定外の発表にならざる得なかったようだ。柏のマスコット、レイくんはSNSで「おどろかせてしまってすみません。リリースのじかんのことを言う人もいるけど、日本がねむっている時間にも、サッカーの世界はうごいていて(中略)もうゲームに出ちゃうのはビックリだけどね」と発信し、柏の思いを代弁した。

オルンガはクラブを通じて「レイソルという素晴らしいクラブで在籍した期間は本当に楽しく過ごすことができました。今後、このクラブがもっともっと発展できることを願います」とコメント。昨季、28得点でJリーグを驚かせたケニアの怪物は、新天地への旅立ちでもサポーターを驚かせた。