Jリーグ加入3季目となるJ3ヴァンラーレ八戸が昇格を誓った。20日の午前8時半から八戸市内で始動。3季ぶりに復帰した葛野昌宏新監督(45)が見守る中、約2時間軽めのメニューで汗を流した。午後からは新体制発表会見を行い、同監督をはじめ今季新加入選手15人中12人が出席。「J2昇格」と最大目標を明確にした。開幕戦は3月14日のアウェー岐阜戦。“新生ヴァンラーレ”の悲願に挑むシーズンが始まる。

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功労監督が3年ぶりに指揮を執る。葛野新監督はJFL時代の18年、八戸をJ3昇格に導いた。だが、Jリーグ指揮に必要なS級ライセンスを持っていなかったため、その年限りで退任。19年は強化部長、昨季はヘッドコーチとしてチームを支えた。昨年12月に同ライセンスを取得。監督復帰を果たした。「昨年は攻守に課題が残った。開幕まで残り7週間ちょっとある。良い状態でシーズンを迎えられるように修正していく」と決意表明した。

今季スローガンは「全緑2021 FULL BLAST」に決定。チームカラーの緑ユニホームを身にまとい“全力プレー”を貫くつもりだ。昨季は8勝9分け17敗の勝ち点33。18チーム中15位と大きく沈んだ。同監督は「昇格圏内はしっかり見据える。皆様に応援してもらえるように、1試合1試合ヴァンラーレのサッカーを全力で表現する」。突風を意味する「BLAST」のごとく、ピッチ上では最後まで戦う姿勢を貫き、旋風を起こす。

J2昇格へ「勝利至上主義」を掲げる。指揮官は「勝つことが前提。負けて良い試合なんてない。毎試合どのチームであろうと勝利にこだわる」と意気込んだ。昨オフは引退を含む16人がクラブを去り、新たに15人の新戦力を獲得。選手の半数以上が入れ替わり「ニュー八戸」が誕生した。指揮官は「どんどん遠慮しないでやってほしい。俺が『中心選手になるんだ』と覚悟を持ってくれたら、チームの底上げにもつながる」と期待した。

3月14日のアウェー岐阜戦がJリーグでの“初采配”となる。「ポジティブな期待感がある。新加入選手と昨年までの選手が、どのように融合していくのかが楽しみ。シーズンを通して完成させたい」と組織的なビジョンを描く。過去も現在も知る監督の下、選手25人が一丸となって目標の昇格に向かう。【佐藤究】