J1清水エスパルスは今月27日、鹿島アントラーズとのリーグ開幕戦(カシマ、午後3時)を迎える。クラブは今季に向けて積極補強に動いた。注目の新戦力を15日から毎日1人ずつ紹介する。第1回は日本代表GK権田修一(31)。2年連続リーグ最多失点中の守備再建のキーマンとして、期待が集まる。経験豊富な守護神がチームを最後方から支える。

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権田はポルトガル1部のポルティモネンセから期限付き移籍で加入した。日本代表として国際Aマッチ18試合に出場。国際経験豊富な守護神は、チームの補強ポイントに合致した。

昨年の清水は、リーグ最多70失点。守備の再建は、今季クラブ目標の「タイトル&ACL出場権獲得」に必要不可欠だ。新体制発表記者会見で権田は「1試合平均1失点以下を目指す」と具体的な数字を掲げた。実現に向けて「自分が全て止められれば良いが、そうもいかない。まずはシュートを打たせない守備をつくり上げる」。普段の練習から積極的にコミュニケーションを図り、守備のポジショニングなどを入念に確認している。

新加入とはいえ、31歳でチーム最年長の立場となった。「最年長は初めて。考えられない」と笑う。それでも己を高める姿勢は、年齢を重ねても変わらない。「自分のことで精いっぱい。年が上だから試合に出られる訳ではないし、むしろ若い選手の方が価値が高いと思っている。自分のために練習して、良いパフォーマンスをするだけ」と意気込んだ。

2018年のサガン鳥栖以来、3シーズンぶりに、Jリーグでの戦いに身を置く。「清水は強いクラブで居続けられる可能性を秘めている。監督の要求に応え、全員がチームのために戦っていければ」。日の丸を背負う守護神が、清水のゴールも死守する。【古地真隆】

◆権田修一(ごんだ・しゅういち)1989年(平元)3月3日、東京・世田谷区生まれ。さぎぬまSC(神奈川)でサッカーを始め、中学からFC東京の下部組織に所属。07年にトップチーム昇格。16年以降はオーストリア3部SVホルン-サガン鳥栖-ポルティモネンセ。各世代別代表にも選ばれ、A代表は2010年1月のアジア杯最終予選イエメン戦でデビュー。187センチ、83キロ。